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判例時報 No.2012
             平成20年10月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 許可抗告事件の実情――平成一九年度……福田剛久、溝上真   現代型取引をめぐる裁判例(216)……升田純   ◆判決録◆ 行政 ▽一 公社発注の土木工事の指名競争入札において、指名業者間で談 […]


◆記事◆

許可抗告事件の実情――平成一九年度……福田剛久、溝上真

現代型取引をめぐる裁判例(216)……升田純

◆判決録◆

行政

▽一 公社発注の土木工事の指名競争入札において、指名業者間で談合が行われた結果、市が損害を被ったと認定された事例

二 民訴法二四八条によって認定すべき損害額は、存在する資料等から、ここまでは確実に存在したであろうと考えられる範囲に抑えた額ではなく、むしろ存在する資料等から合理的に考えられる中で、実際に生じた損害額に最も近いと推測できる額をいうと解すべきであるとして、談合があったと認定した各工事について予定価格の八パーセントないし一〇パーセントの損害額が算定された事例(東京地判平19・10・26)

▽市が発注したごみ焼却場建設工事の入札において談合が行われ、これにより市が損害を被ったとして、住民訴訟が提起され、住民の勝訴判決が確定した場合、その訴訟により要した弁護士報酬につき、市に対する三八〇〇万円の支払請求が認容された事例

(名古屋地判平19・2・27)

民事

〇一 業務遂行権に基づき業務の妨害行為の差止を請求する要件

二 業務遂行権に基づき業務の妨害行為(委任権者側窓口である弁護士を介しての交渉によらずに、自ら又は第三者を通じて、債権者の営業所に架電するなどの方法により、債権者の従業員に対し電話の応対又は面談を強要すること)の差止が認められた事例(東京高決平20・7・1)

○肝性脳症にかかっている女性に対して着物等を次々に販売した呉服販売会社の販売及び信販会社の与信が過量販売ないし過剰与信に該当し、公序良俗に反し無効であるとされた事例

(高松高判平20・1・29)

▽教材販売業者の多数回にわたる教材の勧誘行為につき不法行為に基づく損害賠償請求が認容された事例

(東京地判平20・2・26)

▽債務者が破産宣告を受けた場合において、破産債権者が破産債権届出をしたが破産管財人から異議が述べられ、債権の確定前に破産手続が廃止されたときは、民法一五二条の「届出が却下されたとき」に当たり、時効中断効が失われるとされた事例

(福岡地小倉支判平20・3・28)

知的財産権

○数学的課題の解法ないし数学的な計算手順ア(ルゴリズム)を既存の演算装置を用いて演算することを内容とする発明について、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に当たらないとして、特許法二条一項、同法二九条一項柱書の定める「発明」該当性が否定された事例

(知的財産高判平20・2・29)

▽昭和二五年および二六年に公開された劇場用映画の著作権の存続期間が満了していないとされた事例(東京地判平20・1・28)

商事

▽一 株券返還請求は株主代表訴訟の対象となるか (消極)

二 提訴請求書にどこまで記載していれば適法かについて判断された事例

三 会社が自己株式を会社代表者に売却した価格が廉価といえるか (消極)

(東京地判平20・1・17)

労働

○自動車部品、農業用機械部品等の製造販売会社の従業員の過労自殺について、会社側の安全配慮義務違反の損害賠償責任が認められた事例

(福岡高判平19・10・25)

刑事

◎参議院議員が、本会議における代表質問においてある施策の実現のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け、さらに、他の参議院議員を含む国会議員に対し国会審議の場において同旨の質疑等を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受けて金員を受領したことが、その職務に関し賄賂を収受したものとされた事例

――KSD関連元労働大臣収賄事件上告審決定(最三決平20・3・27)

▽共犯者供述の信用性を肯定し、共謀共同正犯の成立が認められた事例(東京地判平20・5・14)

◆最高裁判例要旨平(成二〇年六月分)

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