判例時報 No.2009
平成20年9月11日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆記事◆ 最高裁民事破棄判決等の実情(上)――平成元年度……森英明、絹川泰毅 住民訴訟における住民側弁護士の「勝訴」報酬の考え方 (中)――判例の総合的検討……阿部泰隆 現代型取引をめぐる裁判 […]
◆記事◆ 最高裁民事破棄判決等の実情(上)――平成元年度……森英明、絹川泰毅 住民訴訟における住民側弁護士の「勝訴」報酬の考え方 (中)――判例の総合的検討……阿部泰隆 現代型取引をめぐる裁判 […]
◆記事◆
最高裁民事破棄判決等の実情(上)――平成元年度……森英明、絹川泰毅
住民訴訟における住民側弁護士の「勝訴」報酬の考え方 (中)――判例の総合的検討……阿部泰隆
現代型取引をめぐる裁判例(214)……升田純
◆判例特報◆
一 訂正が、当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該訂正は、「明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」するものということができる
二 いわゆる「除くクレーム」とする訂正が、「明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」するものということができるとされた事例
三 訂正における登録商標は、先願明細書に基づ-特許出願時において当該登録商標によって特定されるすべての製品を含むものであるということができるから、当該登録商標によって特定された物が技術的に明確でないとはいえないとされた事例
四 いわゆる「除くクレーム」とする訂正において、登録商標の記載を使用して除外部分を表示したことが、特許法施行規則が定める当「該登録商標を使用しなければ当該物を表示することができない場合」における登録商標の使用であるとされた事例
五 本件特許出願に係る発明は当業者が引用例記載の発明に基づいて容易に想到し得たものではないとされた事例
――ソルダーレジスト(除くクレーム)事件知的財産高裁大合議判決 (知的財産高判平20・5・30)
◆判決録◆
▽ミャンマー国籍の男性が、来日後、反政府組織日本支部の設立に参加してその副責任者に就任し、その事実がインターネットのホームページで公開されたことなどから、難民該当性が肯定された事例
(東京地判平19・10・31)
○私立学校の教育内容の変更が生徒の保護者の学校選択の自由を違法に侵害するとして、学校側の損害賠償責任が認められた事例
(東京高判平19・10・31)
○中華航空の運航するエアバス社製造の旅客機が、名古屋空港に着陸降下中に墜落した事故につき、被害者の遺族からの中華航空に対する損害賠償請求が認容されたが、エアバス社に対する損害賠償請求は棄却された事例
(名古屋高判平20・2・28)
▽中国の工場に発注する食品の売買取引を行っていた買主が、売主との取引を一方的に解約して中国の工場と直接取引を開始した場合につき、信義則上の配慮義務違反による損害賠償責任が認められた事例
(東京地判平19・11・26)
▽市立幼稚園の園児が同園庭に沿って存在する用水路に転落し溺死した事故につき、市、園長、教諭の損害賠償責任が認められた事例 (千葉地判平20・3・27)
▽一 特許権の共有者が第三者に当該発明の実施晶の製造を発注していたが、当該製造行為が共有者によるものとして、同行為につき、他の共有者の許諾が不要とされた事例
二 職務発明の実施により得られた利益以外の利益が発「明により受けるべき利益」に含まれるかについての判断がされた事例
(東京地判平20・2・20)
○自損事故により自動車の運転者、同乗者が負傷し、自動車が破損した場合に、運転者が事故の状況について虚偽の申告をしたとして免責を認めたが、同乗者、所有者について免責を認めなかった事例
(福岡高判平20・1・29)
◎正当防衛に当たる暴行及びこれと時間的、場所的に連続して行われた暴行について、両暴行を全体的に考察して一個の過剰防衛の成立を認めることはできないとされた事例
(最一決平20・6・25)
▽インターネットにおける個人利用者の名誉穀損行為について、摘示した事実が真実でないことを知りながら発信したか、あるいは、インターネットの個人利用者に対して要求される水準を満たす調査を行わず真実かどうか確かめないで発信したといえるときに初めて名誉穀損罪に問擬するのが相当との判断が示された事例
(東京地判平20・2・29)