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判例時報 No.2004
             平成20年7月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 先輩から聞いた話(四)――安岡満彦、西村宏二さん ……渋川 満   現代型取引をめぐる裁判例(211)……升田 純   海外刑法だより(278)――通常責任能力の提唱……森下 忠 &ensp […]


◆記事◆

先輩から聞いた話(四)――安岡満彦、西村宏二さん ……渋川 満

現代型取引をめぐる裁判例(211)……升田 純

海外刑法だより(278)――通常責任能力の提唱……森下 忠

◆判例特報◆

住民基本台帳ネットワークシステムにより行政機関が住民の本人確認情報を収集、管理又は利用する行為と憲法三条(最一判平20・3・6)

◆特報◆

一 電鉄会社が購入した土地の土壌汚染につき市によってなされた焼却灰及び耐久消費財の搬入等が原因であるとして求めた責任裁定において、市の先行行為に基づく作為義務(結果回避義務)違反が認められるとしてその申請の一部が認容された事例

二 不動産の土壌汚染についての不作為による不法行為の除斥期間の起算点

――川崎市における土壌汚染財産被害責任裁定申請事件裁定

(公調委平20・5・7)

◆判決録◆

行政

◎県警察本部の県外出張に係る旅費の支出のあった日から一年を経過して住民監査請求がされたことについて地方自治法二四二条二項ただし書にいう正当な理由があるとされた事例

(最一判平20・3・17)

▽一 産業廃棄物処理施設の設置許可処分の取消訴訟と周辺住民の原告適格

二 県知事が事等者に対してした産業廃棄物処理施設の設置許可処分につき、周辺住民が生命、身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれのある災害等が想定される程度に事業者の経理的基礎を欠く違法があるとして、右許可が取り消された事例

(千葉地判平19・8・21)

民事

◎被害者の行使する自賠法一六条一項に基づく請求権の額と市町村長が老人保健法(平成一七年法律第七七号による改正前のもの)四一条一項により取得し行使する上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合に、被害者は市町村長に優先して損害賠償額の支払を受けられるか

(最三判平20・2・19)

○週刊誌に掲載された「バカ市長」との表現を含む記事が当該市長の名誉を穀損するとして損害賠償と謝罪広告とが求められた場合において、当該記事中、「バカ市長」との表現は意見ないし論評の域を逸脱しているとして、第一審判決を変更して、損害賠償を求める一部の限度で、市長の請求が認容された事例

(大阪高判平19・12・26)

○一 道路交通法違反被疑事件の捜査のため、任意同行の上、取調べ及びそれに付随する必要な措置がすべて終了した後において、警察官が退去意思を表明した被疑者を警察署に留め置いた行為が、国家賠償法上達法であると判断された事例

二 任意同行した被疑者の暴行に対抗して行われた警察官による有形力の行使が、行使された有形力の程度及び被疑者が暴行に至った経緯を考慮して、国家賠償法上達法であると判断された事例

(福岡高判平19・12・13)

▽注文者の工場内において作業に従事していた請負人の従業員との間に実質的使用従属関係があるとして注文者に請負人の従業員に対する安全配慮義務を認め、同義務違反に基づく損害賠償請求が認容された事例(東京地判平20・2・13)

▽多発性骨髄腫に罹患している実弟のために同種末梢血幹細胞移植のドナーとなった患者が一年余り経過後に急性骨髄性白血病に罹患して死亡した場合に、医師が同移植術について学会が定めたガイドラインの内容を踏まえた説明をしなかった説明義務違反を認め、患者の長期フォローアップに関する自己決定権を侵害したとして慰謝料請求が認零された事例

(大阪地判平19・9・19)

知的財産権

○商標不使用取消審判請求を棄却した審決に対する取消訴訟の判決理由中において、審判請求の「請求の趣旨」における「指定商品の範囲」の明確性について付言のされた事例(知的財産高判平19・6・27)

商亊

○交通事故の被害者(被保険者)が人身傷害補償保険の保険金の支払を受けた後に加害者に対する損害賠償請求訴訟を提起した場合において、被害者にも過失があるとされたときに、保険金を支払った保険会社が保険代位により取得する被害者の加害者に対する損害賠償請求権は、保険金と同訴訟において認容された加害者に対する損害賠償金との合計額が同訴訟において認定された被害者の損害額を上回る限度に限られるとされた事例

(東京高判平20・3・13)

労働

○会社の営業所管理者において、黙示的に時間外勤務を命じながら時間外勤務手当を支払わなかったことが不法行為にあたるとして、会社に対する時間外勤務手当相当額の損害賠償請求が認められた事例(広島高判平19・9・4)

◎HIV (ヒー免疫不全ウイルス)に汚染された非加熱血液製剤を投与された患者がエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症して死亡した薬害事件について、厚生省薬務局生物製剤課長あった者に業務上過失致死罪の成立が認められた事例

――薬害エイズ厚生省事件上告審判決(最二決平20・3・3)

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