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判例時報 No.2000
             平成20年6月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 社会的テクストとしてのロイヤー・ジョーク……水戸英語文献輪読会   現代型取引をめぐる裁判例(208)……升田純   ◆判決録◆ 行政 ○住民訴訟を綻起し勝訴した住民が、市に対して求めた弁護 […]


◆記事◆

社会的テクストとしてのロイヤー・ジョーク……水戸英語文献輪読会

現代型取引をめぐる裁判例(208)……升田純

◆判決録◆

行政

○住民訴訟を綻起し勝訴した住民が、市に対して求めた弁護士報酬相当額の請求につき、三〇〇万円の限度で請求が認容された事例

(大阪高判平19・9・28) 24)

▽一 鉄道事業法一二条四項、一〇条二項に基づき鉄道施設変更工事の完成検査の結果地方運輸局長がした当該鉄道施設を合格とする処分の取消しを求める訴えについて、右規定は鉄道周辺住民の個別具体的な利益を保護する趣旨とはいえないとして周辺住民の原告適格が否定された事例

二 鉄道事業法一七条に基づき鉄道運送事業者が地方運輸局長に列車の運行計画の変更を届け出たことに対し地方運輸局長がした受理の取消しを求める訴えは、当該届出受理は取消訴訟の対象となる処分ではないから不適法であるとされた事例

三 鉄道事業法に基づく鉄道施設変更工事により完成した高架鉄道施設に鉄道運送事業者が鉄道を複々線で走行させることを許す地方運輸局長が行う処分一切の差止めを求める訴えは、差止めの対象が特定していないから不適法であるとされた事例

――小田急線高架化訴訟第一審判決(東京地判平20・1・29)

民事

○冠状動脈バイパス手術を受けた患者が術後に腸管え死となって死亡した場合において、担当医師が腸管え死の発生している可能性が高いと診断して直ちに開腹手術を実施していればその死亡時に死亡することはなかったが、就労可能なまでに回復し余生を全うすることができた蓋然性が高いとまで認めることはできないとし、一定額の慰謝料と弁護士費用の支払が認められた事例

(福岡高判平19・5・24)

▽破産管財人が集合債権譲渡担保設定者である破産者の所持する譲渡担保の目的債権の支払のために振り出された手形を取り立てた場合、破産管財人は譲渡担保権者に対して同手形金額相当額の金員の不当利得返還義務を負うとされた事例(東京地判平20・1・29)

▽暴力団の組員による韓国入学生の誤認殺人事件につき、指定暴力団である上部団体の最高幹部である総長の使用者責任と会長の代理監督者の責任が肯定された事例(東京地判平19・9・20)

▽在日韓国人二世が賃貸住宅の入居を人種差別により拒絶され精神的な苦痛を被ったとして、大阪市に対し同市が人種差別禁止の条例を定めなかったことを違法として求めた国家賠償請求が棄却された事例(大阪地判平19・12・18)

▽保育園児(三歳)が保育園で異物を右耳に入れて摘出手術を受けたことにつき、同園の保育士に過失があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例

(名古屋地判平19・9・6)

知的財産権

○登録商標「速脳速聴」の不使用取消しを認めた審決の取消訴訟において、使用標章「速脳速聴基本プログラム」が登録商標と社会通念上同一と認められる商標であるなどとして、審決が取り消された事例

(知的財産高判平18・6・29)

▽レストランカフェの店舗でのライブ演奏について、演奏者等が主催するライブについても店舗側の演奏主体性が認められるとともに、店舗に備え置かれたピアノの撤去が認められた事例

――デサフィナード事件第一審判決(大阪地判平19・1・30)

商事

◎保険契約に適用される約款に基づく履行期が合意によって延期されたと認められ、保険金請求権の消滅時効の起算点がその翌日となるとされた事例(最一判平20・2・28)

労働

○フライト・アテンダント(FA)から地上職勤務への配転命令が配転命令権の濫用に当たるとして無効とされ、慰謝料の支払が命じられた事例

(東京高判平20・3・27)

刑事

◎準強制わいせつ行為をした者が、わいせつな行為を行う意思を喪失した後に、逃走するため被害者に暴行を加えて傷害を負わせた場合について、強制わいせつ致傷罪が成立するとされた事例(最一決平20・1・22)

◆最高裁判例要旨(平成二〇年三月分)

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