判例時報 No.1997
平成20年5月11日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆記事◆ 取調べ録画制度と自白の証拠能力――オーストラリアにおける立法ならびに判例からの示唆 ……指宿信 現代型取引をめぐる裁判例(206)……升田純 ◆判決録◆ 行政 ○戦時中に船員保険に加 […]
◆記事◆ 取調べ録画制度と自白の証拠能力――オーストラリアにおける立法ならびに判例からの示唆 ……指宿信 現代型取引をめぐる裁判例(206)……升田純 ◆判決録◆ 行政 ○戦時中に船員保険に加 […]
◆記事◆
取調べ録画制度と自白の証拠能力――オーストラリアにおける立法ならびに判例からの示唆
……指宿信
現代型取引をめぐる裁判例(206)……升田純
◆判決録◆
○戦時中に船員保険に加入していた被保険者につき、被保険者資格喪失の届出手続に過誤があり、その過誤による保険料徴収権の時効消滅は保険者側に責任があるとして、老齢厚生年金再裁定処分が取り消された事例
(名古屋高金沢支判19・1・28)
▽一 確定給付企業年金の規約変更の要件について定める確定給付企業年金法施行規則五条二号及び三号の規定が、確定給付企業年金法五条一項五号、同法施行令四条二号による委任の趣旨に反するものではなく、無効とはいえないとされた事例
二 確定給付企業年金の規約変更の申請が、確定給付企業年金法施行令四条二号、規則五条ただし書、規則六条一項二号の「給付の額を減額する」場合に該当するとされた事例
三 確定給付企業年金の規約変更の申請が、規則五条二号の要件を満たさないとされた事例
四 確定給付企業年金の規約変更の申請が、規則五条三号の要件を満たさないとされた事例
(東京地判19・10・19)
○弁護士が検察庁の検察官執務室で被疑者と面会接見した際に担当検事及び検察事務官、刑務官等が立会ったことを違法とする国家賠償請求を認容した一審判決が取り消され、その請求が棄却された事例
(名古屋高判19・7・12)
▽町長が、町内部の手続を経ないで権限を濫用して廃棄物リサイクルシステムの売買契約を締結したことにつき、町の民法四四条一項に基づく不法行為責任が肯定された事例
(東京地判19・4・川)
▽高速道路の料金所ブースにおいて利用者の申出に応じてした偽造ハイウェイカードと新たに発行した真正ハイウェイカードとの交換契約について、カー-ド発行会社に要素の錯誤があり、かつ重大な過失がないとして、無効とされた事例
(東京地判19・6・8)
▽国がイラク特措法に基づきイラク等に自衛隊を派遣したことにつき、国に対して求めた①自衛隊派遣の差止請求及び②派遣が違憲であることの確認請求、③派遣によって権利を侵害されたとしての国家賠償請求につき、①、②の訴が却下され、③の請求が棄却された事例
(名古屋地判19・3・23)
▽市立中学のハンドボール部の二年生の男子生徒が、夏期練習中に熱中症に躍り死亡した事故につき、指導教諭等学校側に過失があるとして国家賠償請求が認容された事例
(名古屋地一宮支判19・9・26)
▽駅ビルのテナントに対する賃料増額請求につき、特段の事情がないとして完全売上歩合賃料制を併用型賃料制に変更することは許されないとされた事例(広島地判19・7・30)
○特許無効審判において、訂正を認めたとで、一部の請求項に係る特許を無効とし、一部の請求項に係る特許について請求不成立とした審決のうち、特許を無効とした部分を特許法一八一条二項の規定により取り消すに当たり、審決中の訂正を認めるとの部分の確定や同法二二四条の二第四項の規定によるみなし取下げの範囲等が説示された事例
(知的財産高決19・6・20)
▽当事者双方から提出された追試結果によっても、引用例に当業者において容易に実施し得る程度に特許発明に係る化学物質の新規結晶の製造方法が開示されているとは認めがたいとして、当該特許の新規性が肯定された事例
(東京地判19・3・13)
◎A銀行が、B社に対して有する無担保債権につきB社から担保を提供する条件として追加融資を求められ、これを実行した場合において、追加融資を決定した取締役らに忠実義務、善管注意義務違反があるとされた事例(最二判20・1・28)
◎一 銀行が、第三者割当増資を計画する企業から新株引受先として予定された当該企業の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ、これを実行した場合において、融資を決定した取締役らに忠実義務、善管注意義務違反があるとされた事例
二 銀行が、積極的な融資の対象であったが大幅な債務超過となって破たんに直面した企業に対し、同企業を数か月延命させる目的で追加融資を実行した場合において、追加融資を決定した取締役らに忠実義務、善管注意義務違反があるとされた事例
(最二判20・1・28)
○アメリカ合衆国ジョージア州の日本代表部に勤務していた者の不当解雇を理由とする地位確認、賃金支払を求める訴えについて、裁判権免除の主張が認められた事例
(東京高判19・10・4)
◆最高裁判例要旨(平成二〇年二月分)