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判例時報 No.1992
             平成20年3月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 医療観察法による「医療の必要性」について ――最高裁平成19年7月25日決定の検討……中山研一   騒音・低周波音被害をめぐる受忍限度・因果関係に関する一考察(下) ――要件事実論にも言及して……河村 […]


◆記事◆

医療観察法による「医療の必要性」について

――最高裁平成19年7月25日決定の検討……中山研一

騒音・低周波音被害をめぐる受忍限度・因果関係に関する一考察(下)

――要件事実論にも言及して……河村浩・森田淳

先輩から聞いた話(二)――近藤完爾さん……渋川満

現代型取引をめぐる裁判例(203)……升田純

海外刑法だより(274)

――ペドフィリア(子ども性的搾取)の罪……森下忠

◆判決録◆

行政

◎一 海岸法三七条の四の規定に基づく占用の許可の申請があった場合において、当該占用が一般公共海岸区域の用途又は目的を妨げないときに、占用の許可をしないことの可否

二 採石業等を目的とする会社が、岩石の採取計画の認可を受けた採石場に近接する一般公共海岸区域に岩石搬出用の桟橋を設けるため、海岸法三七条の四の規定に基づいて上記一般公共海岸区域の占用の許可の申請をした場合において、上記占用の許可をしない旨の処分が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるとされた事例

(最二判平19・12・7)

○都知事が、広報テレビ番組の担当プロデューサーと番組製作方針について意見交換を行う目的で、夜間、銀座の割烹・小料理店で会合を開催し、飲食代金を支出したことについて、同支出は違法であるとし、知事に対し、出席者に対して飲食代金を支払うよう請求することが命じられた事例

(東京高判平19・9・26)

民事

〇一企業実体のない会社の金融機関からの借入れについて、金融機関の依頼に基づき保証契約を締結した信用保証協会の意思表示に要素の錯誤があり、その錯誤について重大な過失があったとはいえないとされた事例

二 第三者の詐欺により意思表示に要素の錯誤が生じた場合と民法九六条二項、三項の類推適用(消極)

(東京高判19 ・12 ・13)

〇赤い羽根共同募金などを自治会費に上乗せして強制的に徴収するとした決議は、思想信条の自由を侵害し、公序良俗に反し無効であるとされた事例

(大阪高判平19・8・24)

▽一 株式会社とその従業員持株会につき法人格の否認が認められなかった事例

二従業員持株会への参加を勧誘した株式会社の説明義務・告知義務違反が肯定された事例

(東京地判平19・7・3)

▽大手電機メーカーから注文を受けた液晶パネルの欠陥検査を自動で行う装置の共同開発を行った会社の方が、自己の分担する部分を製作することができず、注文者から注文を取り消された場合について、同会社の債務不履行責任を認め、同会社に対する営業上の逸失利益等の損害賠償請求が認められた事例

(東京地判平19・5・22)

▽被告が当事者能力の欠缺を理由に訴えの却下を求めている場合において、訴えの取下げについての被告の同意が不要とされた事例

(東京地判平19・7・11)

▽強直性脊椎骨増殖症の患者に頚椎骨切除手術を実施したところ、手術部位の出血が凝血塊となり反回神経を圧迫・麻療させ、呼吸困難となって患者が死亡した場合に、医師には、手術後の呼吸管理を怠った過失があるとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例

(名古屋地判平19・1・31)

▽交通事故の補償交渉を手伝って保険金を受取ったという名目で、被害者が暴力団員より保険金等を脅し取られたとして、その暴力団の上部団体の組長に対する民法七一五条に基づく損害賠償請求が認零された事例

(京都地判平19・4・19)

知的財産権

○富山県氷見市において製造されていないうどんについて「氷見うどん」等の表示を付するなどして販売した業者に対し、同販売行為が不正競争防止法二条一項二二号所定の原産地誤認惹起行為に当たるとして、損害賠償が命じられたが、その損害額の算定に際して、右業者の周知性の寄与度が考慮された事例――氷見うどん事件控訴審判決

(名古屋高金沢支判平19・10・24)

▽一 醤油だれを餅生地で包み込んだ和菓子について使用されている二つの商標が類似しないとされた事例

二 醤油だれを餅生地で包み込んだ和菓子の形態は、商品等表示に該当しないとされた事例

三 醤油だれを餅生地で包み込んだ和菓子に「元祖」の表示を使用する行為が、品質誤認表示行為及び営業誹謗行為のいずれにも該当しないとされた事例

(大阪地判平19・3・22)

商事

▽株式移転により完全親会社の株主となった者が、完全子会社の取締役等役員の責任を株主代表訴訟で追及することができるか(消極)

(東京地判平19・9・27)

労働

○就業規則の変更について、従業員に対し実質的に周知されたとは認められないとして、無効であると判断された事例(東京高判平19・10・30)

刑事

◎第一審裁判所で犯罪の証明がないとして無罪判決を受けた被告人を控訴裁判所が勾留する場合と刑訴法六〇条一項にいう「被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の有無の判断(最三決191213)

 

○いわゆる個室ビデオ店が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律二条六項三号、同法施行令二条一号の定める「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる興行の用に供する興行場」に当たるとされた事例(東京高判19829)

 

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