判例時報 No.1991
平成20年3月11日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆記事◆ 騒音・低周波音被害をめぐる受忍限度・因果関係に関する一考察(上) ――要件事実論にも言及して……河村浩、森田淳 現代型取引をめぐる裁判例(202)……升田純 ◆判例特報◆ 一 旧日本 […]
◆記事◆ 騒音・低周波音被害をめぐる受忍限度・因果関係に関する一考察(上) ――要件事実論にも言及して……河村浩、森田淳 現代型取引をめぐる裁判例(202)……升田純 ◆判例特報◆ 一 旧日本 […]
◆記事◆
騒音・低周波音被害をめぐる受忍限度・因果関係に関する一考察(上)
――要件事実論にも言及して……河村浩、森田淳
現代型取引をめぐる裁判例(202)……升田純
◆判例特報◆
一 旧日本道路公団の理事が、同公団の発注する鋼橋上部工工事に係る入札談合について、独占禁止法の定める不当な取引制限の罪の身分なき共謀共同正犯の責任を負うとされた事例
二 旧日本道路公団の理事が、当初は一括発注が予定されていた鋼橋上部工工事について、担当者らに同工事を二分割して発注するように指示し、その一部につき工事請負契約を締結させたことが背任罪に当たるとされた事例
三 旧日本道路公団発注の鋼橋上部工工事について、分割後の第二工事が未だ発注されていなくても、第一工事の請負契約が締結された時点における両工事の予定価格の増大分が、一括発注に代えて分割発注をしたことによる背任罪の損害額に当たるとされた事例
――旧日本道路公琵鋼鉄製橋梁談合・背任事件東京高裁判決(東京高判平19・12・7)
判決録
○重婚的内縁関係にある被保険者が死亡した場合、重婚的内縁関係の者が遺族年金の受給権者に当たらないとされた事例
(東京高判平19・7・11)
◎銀行が法令により義務付けられた資産査定の前提として債務者区分を行うために作成し、保存している資料は、民訴法二二〇条四号二所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるか
(最二決平19・11・30)
〇弁護士が弁護士会懲戒委員会委員長に対して懲戒手続において違法行為があると主張する損害賠償請求は、国家賠償法一条一項にいう「公共団体の公権力の行使にあたる公務員」に対する請求であり、懲戒委員会委員長が個人として損害賠償責任を負うものではない
(東京高判平19・11・29)
▽特別養護老人ホームにおける入居者の誤嚥事故につき、介護職員に過失があるとしてその不法行為を認め、老人ホームの開設者の使用者責任が肯定された事例(東京地判平19・5・28)
▽民事保全法一二条一項に規定する保全命令事件の管轄裁判所が我が国内にあるときは、原則として、債務者を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが、これらが存在しない場合には、特段の事情がない限り、我が国の国際裁判管轄を否定すべきであるとして、民事保全事件について、我が国の国際裁判管轄が否定された事例
(東京地決19 ・8・28)
▽直腸ガンの治療のため腹会陰式直腸切断術を受けた患者が、低酸素脳症のため四肢・体幹機能に高度障害が残存し、多臓器不全により死亡した場合、医師に術後管理を誤った過失があるとして、その損害賠償責任が認められた事例
(大阪地判平19・3・9)
▽消費者金融業者が消費者より利息制限法所定の上限利率を超えた利息による過払金を受領する行為を違法として、消費者の金融業者に対する損害賠償請求が認容された事例
(神戸地判平19・11・13)
〇一週間分のテレビ番組を録画可能にする集合住宅用の自動録画装置を販売している業者が、規範的な意味において、独立して著作権、著作隣接権の侵害主体となるとされた事例
――選撮見録事件控訴審判決(大阪高判平19・6・14)
▽一 著作権者に無断で漫画を画像ファイル化し、インターネットのウェブサイトを通じて自動公衆送信した事案において、侵害行為に使用されたインターネット回線を提供した会社及びサ-バーを提供した会社について、共同不法行為(幇助)責任が認められた事例
二 いわゆる使用料相当額を損害額として損害賠償請求がされた場合において、使用料相当額の算定方法について詳細に判示された事例
(東京地判平19・9・13)
▽病院の勤務医の過誤により患者が死亡したため、病院側が患者の相続人に対して三〇〇〇万円の賠償金を支払った場合、病院側が医師賠償責任契約を締結している保険会社に対して三〇〇〇万円の保険金の支払を請求することができるとされた事例
(盛岡地判平19・6・5)
◎会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例(最二判平19・11・16)
◆最高裁判例要旨(平成一九年一二月分)