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判例時報 No.1989
             平成20年2月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

記事 先輩から聞いた話(一)――中村治朗さん……渋川満   現代型取引をめぐる裁判例(201)……升田純   海外刑法だより(273) スペインにおける組織犯罪……森下忠   判決録 行政 […]


記事

先輩から聞いた話(一)――中村治朗さん……渋川満

現代型取引をめぐる裁判例(201)……升田純

海外刑法だより(273)

スペインにおける組織犯罪……森下忠

判決録

行政

◎内国法人の所得の計算に当たり、当該内国法人に係る租税特別措置法(平成一〇年法律第二三号による改正前のもの)六六条の六第一項所定の特定外同子会社等に生じた欠損の金額を損金の額に算入することの可否(最二判平19・9・28)

民事

○受託保証人の事前求償権と消滅時効(東京高判平19・12・5)

▽ 建物の建築請負契約において、仕事の目的物である建物の完成引渡し前の一定の期日に支

払うことを約していた請負代金の内金である確定金額(中間金)の支払時期に、工事が予定されていた工期に比して約五か月遅滞していたこと及び完成した建物に瑕疵があることから、当該期日に中間金を支払わなかったとしても、これによる違約金の支払義務があるということはできないとされた事例(東京地判平19・10・11)

▽懲戒申立てを受けた行政書士が報復的措置としてした弁護士に対する懲戒申立てについて、同申立てに理由がないとして不法行為の成立を認め、一五〇万円の慰謝料請求が認められた事例(東京地判平19・6・25)

▽相続税の物納の許可の申請について、税務署の職員が漫然と審査して許可が二年間も長期化した違法があるとし、納税者の国に対する国家賠償請求が認容された事例(東京地判平18・10・25)

▽交通事故の被害者の自賠法七二条に基づく損害のてん補請求において、被害者の労災保険法に基づく障害年金のうち、既に支給を受けた分及び支給の確定した分について控除すべきであるが、支給が確定していない分については控除することは要しないとされた事例(東京地判平19・7・26)

▽コンビニで雑誌を万引したとして逮捕・勾留され少年審判で非行なしの不処分決定を受けた少年が、警察官及び検察官の逮捕、勾留、取調べを違法として求めた国家賠償請求が棄却された事例(奈良地判平19・4・1)

▽厚生年金受給権に対する差押えを一律に禁止する厚生年金保険法の規定が憲法に違反するのにこれを放置した国会及び国会議員に不作為による違法があるとして求めた国家賠償請求が棄却された事例(大津地判平19・8・23)

知的財産権

○化合物の物質発明及び当該物質の特定の性質を専ら利用する物の発明につき、生物系研究者として化合物の生物活性測定等に従事していた者が発明者とはいえないとされた事例(知的財産高判平19・3・15)

▽会社の代表取締役らが行った流通・販売業者向け商品説明会における説明等が不正競争防止法二条一項一四号所定の営業上の信用を害する虚偽事実の告知に当たるとして、その差止め及び損害賠償の一部を認容するとともに、信用回復措置として説明会に出席した業者に対する訂正文の送付が命じられた事例(東京地判平19・5・25)

商事

◎夜間高速道路において自動車を運転中に自損事故を起こし車外に避難した運転者が後続車にれき過されて死亡したことが自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由に該当するとされた事例(最三判平19・5・29)

労働

▽炭鉱で働きじん肺にり患した者及びその遺族が、国及び企業に対して求めた損害賠償請求が認容された事例(福岡地判平19・8・1)

刑事

◎廃棄物の処理を委託した者が未必の故意による不法投棄罪の共謀共同正犯の責任を負うとされた事例(最三決平19・11・14)

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