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判例時報 No.1988
             平成20年2月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 現代型取引をめぐる裁判例(200)……升田純   【講演の概要】 『調停再考―日本の民事調停・家事調停―』その後……高野耕一   ◆判決録◆ 民事 ○交通事故により醜状瘢痕七級一二号、高次脳機能障害五級二号の後 […]


◆記事◆

現代型取引をめぐる裁判例(200)……升田純

 

【講演の概要】

『調停再考―日本の民事調停・家事調停―』その後……高野耕一

 

◆判決録◆

民事

○交通事故により醜状瘢痕七級一二号、高次脳機能障害五級二号の後遺障害が残った女子小学生の逸失利益について、労働能力喪失率を九〇パーセントとし、賃金センサス学歴計の全労働者・全年齢の平均賃金を基礎として算定された事例

(大阪高判平19426)

 

〇薬局に事務員として勤務していた女性が、その経営者からセクシュアルハラスメントを受けた上不当に解雇され、精神的苦痛を被ったとして求めた損害賠償請求につき、これを認容した第一審判決を変更し、同請求が棄却された事例

(福岡高判平19323)

 

▽両側季肋部が突出して見える外見の改善を求めた患者に対し、その改善の見込みがあまりないにもかかわらず、それを説明しないまま、所見としてみられた漏斗胸の改善及び季肋部肋軟骨を削る手術を施行した医師について、術前の状態の観察が不十分であったため術後の外見の改善の見込みに関して十分に説明をしなかった過失があると認められた事例

(東京地判平19131)

 

▽プライバシーの露出による売名の意図がない者のプライバシーに属する事項を記述した記事を週刊誌に掲載するという名誉毀損行為をした出版社に対して、八〇〇万円の損害賠償と謝罪広告が命じられた事例

(東京地判平19625)

 

▽病院に勤務する医師の過労自殺について病院側の安全配慮義務違反による損害賠償責任が認められた事例(大阪納判19 528)

 

▽入院中の高齢の患者がおにぎりを誤嚥して窒息し、九か月後に心肺停止状態になって死亡した場合、約三〇分も昆守りをせずに病室を離れた看護師に過失があるとして、同看護師と病院側の損害賠償責任が認められた事例(福岡地判平19626)

 

▽産業廃棄物処分場の建設、使用、操業により有害物質が漏出し地下水が汚染されるなどのおそれがあるとして、同処分場の建設、使用、操業の差止め請求が認められた事例(千葉地判平19131)

 

知的財産権

〇人形作品の写真集の制作・出版に関して出版社から金銭を受け取った者に対する人形作品の制作者による不法行為に基づく損害賠償請求が認められなかった事例(知的財産高判平19725)

 

▽一 外国の特許を受ける権利の承継に関する合意の成立、効力、対価請求の有無等の法律関係についての準拠法は、法例七条により日本法となるが、外国特許を受ける権利の承継に基づく対価請求権について、特許法三五条三項の規定は適用されないとされた事例

二 物質発明について、化合物のスクリーニング(生物活性測定)を担当していた原告は、物質の合成、有用性の発見のいずれにも、発明者としての貢献をしたとまではいえないから、共同発明者と認めることはできないとされた事例(東京地判平1898)

 

商事

▽新聞社の株式について譲渡する際は新聞社の役員・従業員で構成されている団体に一株一〇〇円で譲渡するとの合意が認められた事例――日経新聞株式譲渡ルール事件第一審判決

(東京地判平191025)

 

労働

◎従業員と使用者との間でされた従業員に対し特定の労働組合から脱退する権利を行使しな

いことを義務付ける合意と公序良俗違反――東芝組合二重加入事件上告審判決(最二

 

刑事

◎強盗強姦罪の成否に関する事実認定が争われた事例(最一決平191010)

◎一 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義

二 有罪認定に必要とされる立証の程序としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義は、直接証拠によって事実認定をすべき場合と情況証拠によって事実認定をすべき場合とで異なるか(最一決平191016)

 

◆ 最高裁判例要旨(平成一九年一一月分)

 

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