判例時報 No.1985
平成20年1月11日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆記事◆ 生命保険契約における保険金 請求権と消滅時効の進行(上)――高度障害保険金請求権の時効を中心に——-草野元己 現代型取引をめぐる裁判例(198)……升田純 判決録 行政 ○日本法 […]
◆記事◆ 生命保険契約における保険金 請求権と消滅時効の進行(上)――高度障害保険金請求権の時効を中心に——-草野元己 現代型取引をめぐる裁判例(198)……升田純 判決録 行政 ○日本法 […]
◆記事◆
生命保険契約における保険金
請求権と消滅時効の進行(上)――高度障害保険金請求権の時効を中心に——-草野元己
現代型取引をめぐる裁判例(198)……升田純
判決録
○日本法人と匿名組合契約書と題する契約書を取り交わしたオランダ法人から同契約上の地位を承継したオランダ法人が同契約に基づき当該日本法人から受領した金員が、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約八条一項に規定する「企業の利得」に該当することが否定され、同条約二三条に規定する所得に該当することが肯定された事例
(東京高平18・6・28)
◎信用保証協会を債権者とし被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に、信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれるか
(最一判平19・7・5)
◎介護サービス事業者が介護給付費等の請求のために審査支払機関に伝送する情報を利用者の個人情報を除いて一覧表にまとめた文書が、民訴法二二〇条四号二所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例
(最二決平19・8・23)
〇町道の路側帯を歩行していた者が、町道沿いの水路に転落して負傷した場合に、町道の設置管理に塀庇があるとして、町に対する国家賠償請求が認容された事例
(大阪高判平19・9・28)
○保険料不払による生命保険契約の失効を理由とする保険会社の保険金支払拒絶が信義則に反し許されないとした第一審判決が取り消され、信義則違反が否定された事例
(札幌高判平19・9・28)
▽株式会社から監査業務及び相談業務の委任を受けていた公認会計士及び監査法人に善管注意義務違反があるとして株式会社から当該公認会計士及び監査法人に提起された損害賠償請求が棄却された事例
(東京地判平19・5・23)
▽患者の疾患が肝硬変であるにもかかわらず、医師が、患者の便宜を図って保険病名を慢性
肝炎として継続して治療している間に、正しい病名を失念したために、適時に適切な検査をすることを怠り、肝細胞癌の発症を看過した点に不作為の過失を認定した上、適時に検査を行い検査結果に基づいて適切な治療が行われれば、患者はその時点から五年間生存した高度の蓋然性が認められるとして、患者とその遺族の損害が算定された事例
(東京地判平18・9・1)
▽一 真の共同発明者といえるためには、当該発明における技術的思想の創作行為に現実に加担したことが必要であるとして、職務発明の対価請求の対象となる発明の一部について発明者性が否定された事例
二 自社実施に係る職務発明の承継の対価の算定に当たり、「その発明により使用者等が受けるべき利益」とは、当該発明の実施品の売上高のうち、同発明につき第三者の実施を排除して独占的に実施することにより得られたと認められる利益の額、すなわち法定の通常実施権に基づく実施を超える部分(超過実施分)について第三者に発明の実施を許諾した場合に得られる実施料で
あるとされた事例
三 特許権の設定登録の前であっても、出願公開後に事実上当該発明を独占し、第三者の実施を排除して独占的に実施したことにより通常実施権に基づくものを超える利益を上げたときは、当該発明が貢献した程度を勘案して「その発明により使用者等が受けるべき利益」を定めることができるとされた事例
(東京地判平18・9・12)
▽一 会社法四三三条二項三号所定の「請求者」に請求者と一体的に事業を営んでいる親会社を含むか(積極)
二 会社法四三三条二項三号所定の「競争関係」に近い将来において競争関係に立つ蓋然性が高い場合も含むか(積極)
(東京地判平19・9・20)
▽会社の組合員に対する昇給・昇格に合理的理由が欠けているとまではいえないとして、不当労働行為が否定された事例――昭和シェル石油昇給・昇格差別訴訟第一審判決
(東京地判平19・5・28)
◎預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受ける行為は、刑法二四六条<項の詐欺罪に当たるか
(最三決平19・7・17)