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判例時報 No.1979
             平成19年11月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 公正取引委員会競争政策研究センター カルテル・入札談合における審査の対象・要件事実・状況証拠……越知保見、荒井弘毅、下津秀幸   裁判する心(司法改革の流れの中で)――第二〇回全国裁判官懇話会報告Ⅲ・ […]


◆記事◆

公正取引委員会競争政策研究センター

カルテル・入札談合における審査の対象・要件事実・状況証拠……越知保見、荒井弘毅、下津秀幸

裁判する心(司法改革の流れの中で)――第二〇回全国裁判官懇話会報告Ⅲ・完

地方公共団体が高額不動産をコンペ方式に基づく随意契約により廉価売却することは適法か……阿部泰隆

スタンドバイ・クレジットとディマンド・ギャランティ及び荷為替信用状において仮処分が許される条件……橋本喜一

現代型取引をめぐる裁判例(194)……升田純

◆判決録◆

行政

◎県警察本部の支出した捜査費等に係る個人名義の領収書のうち実名とは異なる名義で作成されたものに記載された当該名義人の氏名、住所等に関する情報が滋賀県情報公開条例(平成二一年滋賀県条例第二三号。平成一六年滋賀県条例第三〇号による改正前のもの)六条三号所定の非公開情報に当たるとされた事例

(最三判平19・5・29)

民事

◎いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点(①、②事件)(①最三判平19・4・24、最一判平19・6・7)

〇一 国立大学法人の設置する大学に在学する学生と国立大学法人との在学を巡る法律関係

二 国立大学法人の設置する大学の入学希望者に対し、入学試験による選抜を行う場合の法律関係

三 国立大学法人の設置する大学の入学試験における不合格の判定に司法審査権が及ぶとされた事例

四 国立大学法人の設置する大学医学部の入学試験に不合格となった受験生が、不合格の判定は年齢を理由としたもので、合否判定権の濫用であるとして国立大学法人に対し入学許可を求めた請求が棄却された事例

(東京高判平19・3・29)

〇認知症等で入院中の九一歳の老人がした公正証書による遺言について、遺言者が遺言能力を有していたと認められず、無効であるとされた事例

(大阪高判平19・4・26)

▽一 ゴルフ会員権購入の勧誘について、ゴルフ場運営会社のパンフレットに基づき金融機関職員の行った説明に、虚偽の事実の説明や断定的説明を行った事実は認められないし、ゴルフ会員権の危険性についての説明義務違反も認められないとされた事例

二 ゴルフ会員権購入の勧誘について、金融機関に優越的地位の濫用や銀行法違反が認められないとされた事例(東京地判平19・1・18)

▽喘息治療用気管支拡張剤による中毒症状と診断されて治療を受けた患者が治療後に死亡した場合において、治療中のカテーテル挿入による血管損傷の過失と死亡との間に因果関係があるとされ、遺族からの損害賠償請求が認容された事例(千葉地判平18・9・11)

知的財産権

▽CD等の楽曲を自己の携帯電話で聴くことのできる「MYUTA」という名称のサービスの提供が、音楽著作物の著作権者の複製権及び自動公衆送信権を侵害するとされた事例

――MYUTA事件判決(東京地判平19・5・25)

商事

〇一 食品販売会社が食品衛生法に違反する無認可添加物を含む「肉まん」を販売したため、その回収や、販売店に対し補償をすることにより会社が損害を負ったことにつき、担当取締役として、事実関係の確認、代表取締役社長への報告、販売中止等の措置、消費者に公表するなど回収の手立てを尽くさなかったことが善管注意義務違反となるとされた事例

二 食品販売会社が食品衛生法に違反する無認可添加物を含む「肉まん」を販売したため、その回収や、販売店に対し補償をすることにより会社が損害を負ったことにつき、代表取締役社長として、事実関係を調査し、早期に適切な措置をとることなく、隠ペいを事実上黙認し、公表の要否等を含めた損害回避に向けた対応策を積極的に検討しなかったことが善管注意義務違反となるとされた事例

三 食品販売会社が食品衛生法に違反する無認可添加物を含む「肉まん」を販売したため、その回収や、販売店に対し補償をすることにより、会社が損害を負ったことにつき、平取締役として、その事実を積極的には公表しない旨の方針を当然の前提として取締役会で了解したことが善管注意義務違反となるとされた事例

四 食品販売会社が食品衛生法に違反する無認可添加物を含む「肉まん」を販売したため、その回収や、販売店に対し補償をすることにより会社が損害を負ったことにつき、監査役として、問題対応方策の検討に参加しながら、取締役らの任務僻怠に対する監査を怠ったことが善管注意義務違反となるとされた事例

――ダスキン株主代表訴訟控訴審判決(大阪高判平18・6・9)

◎作業場を持たずに一人で工務店の大工仕事に従事する形態で稼働していた大工が労働基準法及び労働者災害補償保険法上の労働者に当たらないとされた事例(最一判平19・6・28)

◆最高裁判例要旨(平成一九年七・七月分)

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