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判例時報 No.1978 〔判例評論 No.585〕
             平成19年11月1日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆ 判決録◆ 行政 ○土地について不動産取得税の納付後に同士地上に所定の建物を取得することにより税額の減額規定の適用があることとなったときは、減額すべき額に相当する税額を還付する旨の規定に基づく還付請求に対し、税額の減額 […]


◆ 判決録◆

行政

○土地について不動産取得税の納付後に同士地上に所定の建物を取得することにより税額の減額規定の適用があることとなったときは、減額すべき額に相当する税額を還付する旨の規定に基づく還付請求に対し、税額の減額決定の除斥期間の経過を理由に還付しないものとした県税事務所の処分が取り消された事例

(東京高判平18・10・31)

民事

◎将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないものとされた事例

――横田基地騒音公害訴訟上告審判決(最三判平19・5・29)

○産院における新生児取り違えを理由とする債務不履行に基づく損害賠償請求について、損害が顕在化して権利行使が現実に期待可能となったときから消滅時効が進行するとして、時効の完成を認めなかった事例(東京高判平18・10・12)

▽一 個人情報保護法二五条一項に基づく訴訟による個人情報の開示請求の可否(消極)

二 個人情報保護法二五条二項に違反した事業者が慰謝料の賠償責任を負わないとされた事例

(東京地判平19・6・27)

▽司法書士会による所属司法書士に対する注意勧告処分の無効確認請求と、右処分により名誉を穀漬されたとして求めた損害賠償請求がいずれも棄却された事例

(大阪地判平19・1・30)

▽ホテルのボイラー室に勤務していた者が、石綿を吸引したことにより悪性胸膜中皮腫に躍患し死亡したとして、遺族らが会社に安全配慮義務違反があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例

(札幌地判平19・3・2)

▽粉飾決算を続け破産した商工協同組合から預け金等の払戻を受けることのできなかった元組合員が、同組合の理事らに対する損害賠償請求及び事業認可権者である県に不適切な行政指導があるとして求めた国家賠償請求が認容された事例

(佐賀地判平19・6・22)

▽窃盗、有印私文書偽造、同行使の罪で逮捕され、起訴及び追起訴されたが、無罪となった者が、警察官の捜査の不備及び検察官の公訴提起に誤りがあるとして、県及び国に対して求めた損害賠償請求が棄却された事例

(松山地判平18・1・18)

知的財産権

▽両肩からずり下げた形のリュックの形態が同一であるとは認められないとされた事例

(大阪地判平18・1・16)

刑事

▽現職衆議院議員に対する言論封殺目的による住居侵入、現住建造物等放火、銃砲刀剣類所持等取締法違反事件につき、懲役八年が言い渡された事例

――衆議院議員実家放火事件判決(山形地判平19・5・31)

◆最高裁判例要旨(平成一九年七・八月分)

最新判例批評

七八 林試の森公園都市計画事業認可処分取消請求事件上告審判決

(最二判平18・9・4)……前田雅子

七九 納税者が平成一一年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことにつき国税通則法六五条四項にいう「正当な理由」があるとされた事例

(最三判平18・10・24)……小林博志

八〇 第一の貸付けに対して過払金が発生し、その後、第二の貸付けに係る債務が発生した場合と、過払金の同債務への充当

(最三判平19・2・13)……小野秀誠

八一 社会福祉法人が運営する養護施設に入所していた児童が傷害を受けた場合の県および同法人の賠償責任(最一判平19・1・25)……武田真一郎

八二 一 B型肝炎ウイルスに感染した患者が乳幼児期に受けた集団予防接種等とウイルス感染との間の因果関係を肯定するのが相当とされた事例

二 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しB型肝炎を発症したことによる損害につきB型肝炎を発症した時が民法七二四条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

(最二判18 ・6・16)……松久三四彦

八三 取材源の秘匿と民事訴訟法一九七条一項三号に基づく証言拒絶

――NHK記者証言拒絶事件許可抗告審決定(最三決18 ・10 ・3)……駒村圭吾

八四 謝罪広告を命ずる判決に基づく間接執行としてされた、日々の不履行につき金銭の支払いを命ずる決定につき、権利の濫用になるとして、請求異議が一部認容された事例

(東京高判平17・11・30)……我妻学

八五 芸能人の写真等の掲載とプライバシー権及びパブリシティ権の侵害

(東京高判平18・4・26)……斎藤博

八六 職務著作と著作者人格権(同一性保持権)の侵害の成否

――講習資料事件第一審判決(東京地判18 ・2・27)……潮海久雄

八七 株式会社の従業員持株会において規約に定めのない書面による解散決議が有効とされた事例

(東京地判平18・6・26)……本健一

八八 非災害性疾病の公務(業務)起因性

――地公災基金神奈川県支部長(小田原養護学校)事件・地公災基金東京都支部長(都立療養センター)事件(①東京高判平18・10・25、②東京高判平18・10・11)……石田真

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