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判例時報 No.1976
             平成19年10月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆ 記事◆ 裁判する心(司法改革の流れの中で)――第二〇回全国裁判官懇話会報告Ⅰ   戦後補償の民法的諸問題(上) ――補償理論及び掘り起こし 被害者の視点からの再検討……吉田邦彦・   現代型取引を […]


◆ 記事◆

裁判する心(司法改革の流れの中で)――第二〇回全国裁判官懇話会報告Ⅰ

戦後補償の民法的諸問題(上)

――補償理論及び掘り起こし 被害者の視点からの再検討……吉田邦彦・

現代型取引をめぐる裁判例(192)……升田純

◆判決録◆

行政

○市立公園内にテントを設置して継続的に日常生活を送っている人であっても、同テントの所在地に住所を有するものということはできないとされた事例

(大阪高判平19・1・23)

民事

◎外国語会話教室の受講契約の解除に伴う受講料の清算について定める約定が特定商取引に関する法律四九条二項二号に定める額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効であるとされた事例(最三判平19・4・3)

〇警察署の付属留置場に勾留中の被告人の弁護士が、被告人との接見を求めたところ、別件事件の捜査のためのポリグラフ検査中として拒絶した行為につき、留置場担当官及び捜査担当官の職務違反があるとして、国家賠償責任が認められた事例

(大阪高判平18・11・29)

〇貸金業者の利息制限法所定の制限を超える利息の支払請求について、架空請求であるとして不法行為を構成するとし、借主の貸金業者に対する慰謝料と弁護士費用の支払請求が認容された事例

(札幌高判平19・4・26)

▽テレビ番組放送枠の売買契約交渉が決裂した場合において、買主側交渉担当者の言動を信用し契約が成立したと考えた売主の、交渉担当者への適切な指示を怠り放送開始二か月後に契約締結を拒否した買主に対する契約締結上の過失に基づく損害賠償請求が認められた事例

(東京地判平18・9・29)

▽法律上使用が制限されている化学物質を含有する原材料を用いて、接着剤を製造、販売した原告が、その原材料を輸入、製造した被告に対して、損害賠償を求めた場合において、被告には注意義務違反が認められるが、原告に生じた損害は、かかる注意義務の射程外であるとして、原告の請求が棄却された事例

(東京地判平17・7・19)

▽会社の工場排水にダイオキシン等が含まれているとのテレビ等の報道により、観光地引網、しらす漁を営む業者が、会社に対し予約のキャンセル、しらす販売の減少により損害を蒙ったとして求めた工作物責任に基づく損害賠償請求が認められた事例

(横浜地判平18・7・27)

知的財産権

▽インクジェット記録装置用インクタンクに関する特許について、同特許の出願日の遡及を認めず、同特許に係る発明が新規性を欠き、特許無効審判で無効にされるべきものとして、同特許権侵害に基づく請求が棄却された事例(東京地判平18・10・18)

労働

▽海外出張中の自殺が労災と認定された事例(東京地判平19・5・24)

刑事

▽被告人が幼少時に被害者から受けた性的暴行に帰因して殺意を生じさせた、住居侵入、殺人、同未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反の事件につき、PTSD (心的外傷後ストレス障害)との関係での刑事責任能力を肯定した上、無期懲役が言い渡された事例

――いわゆる山形三人殺傷事件第一審判決(山形地判平19・5・23)

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