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判例時報 No.1974
             平成19年10月1日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆判例特報◆ 財務局長が抵当証券業の規制等に関する法律八条一項に基づいてした転当証券業者に対する更新登録が、同法六条所定の登録拒否事由の存在を看過してされたものであり、その更新登録拒否に係る権限の不行使が異体的事情の下で […]


◆判例特報◆

財務局長が抵当証券業の規制等に関する法律八条一項に基づいてした転当証券業者に対する更新登録が、同法六条所定の登録拒否事由の存在を看過してされたものであり、その更新登録拒否に係る権限の不行使が異体的事情の下で著しく不合理であったとして、国が、当該抵当証券業者から右更新後に抵当証券を新規資金によって購入し、当該抵当証券業者がその後に営業を停止したことによって損害を被った者に対して、国家賠償法一条一項に基づく損害賠償責任を負うものとされた事例――大和都市管財国家賠償請求訴訟第二番判決(大阪地判平19・6・6)

判決録

行政

○親会社が子会社に対して無償で移転した資産(株式)価値の評価について時価純資産方式で評価するのが相当であるとされた事例(東京高判平19・1・30)

民事

○本来の賃借地の範囲に属しない隣接地について賃借権の時効取得の成立が認められた事例

(東京高判平18・11・28)

▽米国において米国法人らが日本国法人らに対して不法行為等に基づく損害賠償等を請求する訴訟が提起された後に、米国の訴訟における被告である日本国法人らが日本の裁判所に提訴に係る債務不存在確認訴訟を提起した場合において、日本の裁判所が裁判管轄を有するとされた事例

(東京地中間判平19・3・20)

▽裁判所構内の仮監において、弁護人が被告人に文書を交付しようとしたのを、拘置所職員により拒絶されたことを理由とする国家賠償請求が棄却された事例

(名古屋地判平19・1・26)

知的財産権

▽ 「金色の六角形の中に『一枚甲』という文字を縦書きした」シール(被告標章)を三味線パテの才尻に貼付して三味線バチを販売する行為が、「バチ」を指定商品とする二枚甲」なる原告の商標権を侵害するとしてなされた損害賠償請求について、被告標章の使用には、商標法二六条一項二号により、原告の商標権の効力が及ばないとして、原告の請求が棄却された事例(東京地判平18・10・26)

最新判例批評

七〇 都知事が行った都市高速鉄道に係る都市計画の変更が鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例

――小田急線連続立体交差(高架化)事業認可取消訴訟上告審(第一小法廷)判決(最一判平18・11・2) ……村上裕章

七一 物上保証人に対する債権者の担保権実行手続の中で、代位弁済した保証人が執行裁判所に差押債権者の承継申出をした場合における求償権の時効中断(最三判平18・11・14) ……吉田光碩-1-6

七二 反訴請求債権を自働債権とし本訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否(積極)

(最二判平18・4・14)……徳田和幸

七三 強制執行を受けた債務者がその請求債権につき強制執行を行う権利の放棄または不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合に執るべき手続

(最二決平18・9・1)……田頭章一

七四 特許法三五条に基づき外国の特許を受ける権利の譲渡の対価が認められた事例――日立製作所職務発明事件上告審判決(最二判平18・10・17)……大友信秀

七五 テレビショッピング番組で販売された商品の.表示が品質誤認的であるとして、同一番組で同種商品を販売したことのある者による不正競争防止法に基づく表示差止請求を認め、その者には商品の混同による信用穀損の損害が生じたとして、不法行為を理由とする損害賠償請求を認めた事例(神戸地判平18・8・4)……渋谷達紀

七六 株式会社の株主が商法(平成一七年法律第八七号による改正前のもの)二九四条一項に基づき検査役選任の申請をした時点で総株主の議決権の一〇〇分の三以上を有していたが新株発行により総株主の議決権の一〇〇分の三未満しか有しないものとなった場合における上記申請の適否(最一決平18・9・28)……小出篤

七七 従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして暴行事件から七年以上経過した後にされた諭旨退職処分が権利の濫用として無効とされた事例――ネスレ日本(懲戒解雇)事件(最二判平18・10・6)……名古道功

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