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判例時報 No.1971
             第1971号(平成19年9月1日) 号 定価:913円 (本体価格:830円+10%税)

◆判例特報◆ いわゆる職務発明の相当対価請求において、当該職務発明に係る特許が包括クロスライセンス契約の対象である場合に、包括クロスライセンス契約における当該特許の寄与度を認定判断して相当の対価が算定された事例――キヤノ […]


◆判例特報◆

いわゆる職務発明の相当対価請求において、当該職務発明に係る特許が包括クロスライセンス契約の対象である場合に、包括クロスライセンス契約における当該特許の寄与度を認定判断して相当の対価が算定された事例――キヤノン職務発明事件第一審判決(東京地判19・1・30 )

判決録

行政

◎愛知県の食糧費支出に関する予算執行害等の文書中に愛知県公文書公開条例(昭和六一年愛知県条例第二号。平成一二年愛知県条例第一九号による全部改正前のもの)所定の非公開情報に当たらない公務員の懇談会出席に関する情報とこれに当たる公務員以外の者の懇談会出席に関する情報とが記録され両情報に共通する記載部分がある場合において前者の公務員の懇談会出席に関する情報に係る記載部分がすべて公開すべきものとされた事例

(最三判19・4・17)

民事

◎弁護士法五八条二項に基づく懲戒請求が不法行為を構成する場合(最三判19・4・24)

◎一 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力

二 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等がその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある受送達者に対して上記書類を交付しなかったため受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされた場合と民訴法三三八条一項三号の再審事由

(最三決19・3・20)

〇売買の目的たる土地上に存在していた建物内で女性が胸を刺されて殺害された事件があり、そのことが近くの住民の記憶に残っている等の事情があるときは、同土地には「隠れた瑕疵」があるとし、買主は売主に対し、売買代金額の五パーセントに相当する損害賠償を請求することができるとされた事例

(大阪高判18・12・19)

▽温泉施設に設置されたエレベーターの扉に客が挟まれて負傷した事故につき、施設の経営会社の土地工作物責任が否定され、所有者の土地工作物責任が肯定された事例

(東京地判18・9・26 )

▽NOVAとの間の外国語会話レッスンの受講契約を中途解約した場合、受講者は、入校時の単価で計算した受講料の残額を返還請求することができるとされた事例

(名古屋地判19・2・15)

▽市販の足場台を購入した者が購入してから約三年九か月後その足場台の上で作業中に落下して傷害を負った事故につき、当該足場台にはその一脚が変形する原因となる不具合があったと推認されるとして、その不具合を製造物の欠陥及び売買の目的物の隠れたる瑕疵と認め、製造業者の製造物責任及び販売業者の瑕疵担保責任が肯定された事例

(京都地判18・11・30)

労働

▽従業員が勤務時間外に社内事務室における飲酒を伴う会合に出席して帰宅する途中の事故の通勤災害性(積極)

(東京地判19・3・28)

◆最高裁判例要旨(平成一九年六月分)

航空パイロットの刑事過失責任の問い方・その二――乱高下事故を素材にして……土本武司

最新判例批評

六五 法務大臣の裁決書不作成が、退去強制令書発付処分取消事由に当たらないとされた事例

(最一判18・10・5)……初川満

六六 弁護士の依頼者に対する報告義務違反と弁護士会による懲戒処分の適否

(最一判18・9・1) ……馬場健一

六七 下請業者が下請契約を締結する前に下請の仕事の準備作業を開始した場合において施主が下請業者の支出費用を補てんするなどの代償的措置を講ずることなく施工計画を中止することが下請業者の信頼を不当に損なうものとして不法行為に当たるとされた事例

(最二判18・9・4)……田中宏治

六八 一 トンネル建設工事において粉じん作業に従事していた労働者がじん肺に躍患したことについて、国の規制権限の不行使に基づく国賠法上の責任が肯定された事例

二 国の発注したトンネル建設工事において粉じん作業に従事していた労働者の国に対する安全配慮義務違反ないし民法七一六条ただし書に基づく損害賠償請求が否定された事例

三 規制権限不行使によって、じん肺に躍患したこと’これが原因で合併症を併発したことないし死亡したことを理由とする国賠法上の損害賠償請求権の消滅時効の起算点(東京地判18・7・7)――下山憲治

六九 ドレン滞留ポイントを簡便に見出すために使用する図表の著作物性を判断して、これが否定された事例

(東京地判17・1・17)……戸波美代

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