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判例時報 No.1967
             平成19年7月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 現代型取引をめぐる裁判例――(189)……升田純   最高裁民事破棄判決等の実情(2)――平成一八年度……宮坂昌利、谷口豊   海外刑法だより(266) 国際刑事訴訟法の論点(5)――被告人 […]


◆記事◆
現代型取引をめぐる裁判例――(189)……升田純

最高裁民事破棄判決等の実情(2)――平成一八年度……宮坂昌利、谷口豊

海外刑法だより(266)
国際刑事訴訟法の論点(5)――被告人の権利……森下忠

◆判例特報◆
①一 民法が実親子関係を認めていない者の問にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判と民訴法二八条三号にいう公の秩序
二 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母
(最二決19・3・23)

②成田空港用地内の空港会社と空港建設反対派の共有地について全面的価格賠償方式による共有物分割請求が認められた事例
――成田・一坪共有地訴訟第一審判決(千葉地判18・6・28)

◆特報◆
一 鹿児島県の南西海上沖に位置する無人島の一部を区域とする採石法三三条に基づく岩石採取計画を不認可とした処分が取り消された事例
二 採石に伴う騒音、振動、水質汚濁等によって、漁業被害を生ずることが高度の蓋然性をもって予測されるとは認められないとされた事例
三 地域の判断に基づく自然環境保護の必要性等の事情を採石法三三条の四所定の「公共の福祉に反すると認めるとき」の判断において斟酌することはできず、不認可事由には当たらないとされた事例
――鹿児島県川辺郡笠沙町地内の岩石採取計画不認可処分に対する取消裁定申請事件裁定(公調委裁定19・5・8)

判決録

行政

◎一 財産の管理を怠る事実が終わった場合における当該怠る事実を対象とする住民監査請求と監査請求期間の制限
二 財産の管理を怠る事実が終わった場合において当該怠る事実が違法であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としこれを対象としてされた住民監査請求と監査請求期間の制限
(最三判19 ・4 ・24)

◎厚生年金保険の被保険者であった叔父と内縁関係にあった姪が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例
(最一判19・3・8)

民事

一 原告として確定されるべき者が訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが昭和四七年九月二九日の日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された国家としての中国であるとされた事例
二 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅が公知の事実である場合における代表権の消滅の効力発生時期
三 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に我が国政府が当該外国国家の政府として上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したために上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合における訴訟手続の中断
四 上告審が職権探知事項に当たる中断事由の存在を確認して原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否
――光華寮訴訟上告審判決(最三判19・3・27)

▽長年夫婦同然の関係にあった女性に対する所有不動産の一部の死因贈与が公序良俗に違反しないとされた事例
(東京地判18・7・6)

▽民事再生手続の進行中においては再生債権者は再生債権に基づき詐害行為取消請求権を行
使することができない
(東京地判19・3・26)

▽飲酒運転事故の被害者に遷延性意識障害等の後遺障害(一級三号)が残った場合、加害運転手に対して総額約三億円の賠償支払が命じられた事例
(千葉地佐倉支判18・9・27)

知的財産権

▽一 特許法(平成一六年法律第七九号による改正前のもの)三五条に基づく職務発明の相当の対価の請求は、勤務規則等において、特許権の存続期間中一定の期間ごとに特許発明の実施の実績に応じた額を使用者等から従業者等に支払う旨の定めがされている場合においては、各期間の特許発明の実施の実績に応じた額の支払時期が、相当の対価の支払を受ける権利のうち、各期
間における特許発明の実施に対応する分の消滅時効の起算点となるとして、訴え提起の時点において、支払時期から民法所定の10年を経過していた部分については、消滅時効が完成しているとされた事例
二 公的機関における二五年以上の勤務を経て、その公的機関の保有技術の技術移転等を目的とするYに再就職し、Yの他社への技術協力に際して発明をした場合において、入社の経緯、知識・技能の養成についての公的機関の寄与、公的機関とYとの関係、発明へのYの関与の程度等を総合的に考慮して、相当の対価の額が算定された事例
(東京地判15・5・29)

商事

▽第三者割当の新株発行が資金調達の必要のためでなく、筆頭株主である債権者の持株比率を低下させるものであるとして求めた新株発行差止めの仮処分が却下された事例
(大阪地決18 ・12 ・13)

労働

▽一 整理解雇が無効とされた事例
二 整理解雇が違法とされ、慰謝料請求が認容された事例
(東京地判18・11・29)

◆最高裁判例要旨(平成一九年四月分)

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