◆判例特報◆

① 一、昭和二一年勅令一〇一号(政党､協会、その他の団体の結成の禁止等に関する件)に基づく解散の性質

二、私有財産尊重、没収禁止の原則は国際法上の強行法規か〜東京水交社事件第一審判決(東京地判昭41･2･2)

②無罪を言い渡すべき明確なる証拠を新たに発見した場合に該らないとして再審請求を棄却した事例

――大逆事件再審請求棄却決定(東京高決昭40･12・1)

③ いわゆるメーデー事件の被告人一名に対し無罪を言い渡した事例(東京地判昭40 ･11･15)

◆判決銀◆

行政

▽ 一､占領軍の指示に従ってなされた警察官の退職が任意退職と認められた事例

二、警察官の地位確認請求が信義則違反に当るとされた例(長野地判昭40･10･5)

民事

◎農業共済組合の農作物共済掛金､賦課金およびきょ出金の徴収と民事訴訟法上の手続(最大判昭41･2･23)

◎内縁関係成立の日から二〇〇日後婚姻成立の日から二〇〇日以内に生まれた子は民法七七二条所定の嫡出の推定を受けるか(最三判昭41･2･15)

◎訳文の添付のない外国語で書かれた文書を採証の用に供しても違法でないとされた事例(最二判昭41･3･11)

〇代物弁済による土地所有権移転の場合には法定地上権は生じない(東京高判昭40･12･14)

○抵当権に基づく競売手続において競売期日の公告に右抵当権者を賃借人する仮登記を経た停止条件付短期貸借権を掲記することの安否(大阪高決昭41 ･2･1)

▽農地法七八条による貸付を受ける権利の性質(東京地判昭41･3･30)

▽仮差押中の債権に対して順次競合してなされた転付命令の効力(東京地判昭40 ･11･17)

▽使者の越権行為と表見代理の成否(東京地判昭40･10・18)

▽更生計画認可前の更生廃止決定が確定した場合における更生担保権者表の記載は既判力を有するか(消極)(東京地判昭40･7･31)

▽弁護士に対する報酬の支払が支払済の公正証書に基く被告の達法執行による損害と認められた事例(東京地判昭40･4･23)

▽土地賃借権の時効取得の要件としての賃料支払の要否(大阪地判昭40･8・28)

▽内縁の一方的破棄を不当とし慰籍料一〇万円の支払を命じた例(大阪地判昭40･12・6)

商事

▽手形における法人の架空自然人名の使用(東京地判昭40･9・20)

労働

▽住居侵入により罰金刑に処せられたことを理由とする懲戒解雇を無効とした例(東京地決昭41･2・10)

刑事

▽労働争議における闘争手段としてのビラ貼り行為につき建造物損壊および器物損壊(暴力行為等処罰に関する法律違反)の成立を否定した事例(金沢地判昭41・1・31)

▽捜索差押が違法–され､その差押物件の証拠能力が否定された事例(東京地決昭40･1･13)