判 例 特 報

①愚連隊の隊員二名が博徒の幹部を襲撃死亡させたとして自首した事件につき身代り自首の疑があるとした事例（東京地判昭39・9・2)

②一、過失犯の結果予見可能性の有無を定める基準

二、神社の餅まき行事の際参拝者の殺到・混乱により多数の死者を出した事案につき、神社職員の過失を認めた事例

―弥彦神社事件控訴審判決（東京高判昭39・2・19)

判 決 録

民 事

◎立木の不法伐採による損害賠償額算定の基準（最三判昭39・6・23)

〇銀行が貸金の担保として手形の裏書譲渡を受けた場合の注意義務（大阪高判昭39・7・3)

〇家屋の転借人の補修改装が保管義務違反とならぬものと認定された事例（大阪高判昭39・8・5)

〇動物の占有者の損害賠償責任を認めた事例（福岡高判39・8・31)

〇農地の所有権に基く返還請求が信義則違反や権利濫用ではないとされた事例（高松高判昭39・9・3)

▽下請負人の被用者の不法行為につき、元請負人が民法七一五条の責任を負うべきものとされた事例（東京地判昭39・5・29)

▽借地上の建物を譲渡担保とした場合と民法六一二条（大阪地判昭39・9・8)

▽建物所有権の譲渡を受け仮登記を経由した者と右建物を使用貸借によって占有している者との間の法律関係（京都地判昭39・7・19)

▽従業員寮の一室の明渡を求める仮処分申請が却下された事例（新潟地長岡支決昭39・7・23)

▽国籍法八条にいう「自己の志望によって外国の国籍を取得する」場合にあたらないとして就籍が許可された事例（札幌家室蘭支審昭39・3・31)

労 働

▽一、ロックアウトはその宣言によって成立する

二、ロックアウトの正当性は労使間の具体的事情を個別的に判断してきめる

（大阪地判昭39・5・16)

刑 事

▽証拠調に関する当事者の合意の法的拘束力（横浜地小田原支決昭39・8・3)