判 例 特 報

①道路交通法七二条一項前段と後段との関係 轢き逃げ事件上告審判決（最大判38・4・17)

②所得税法上の収入について権利確定主義によるべきでなく現実収入主義によるべきものとされた事例（熊本地判38・2・1)

判 決 録

行 政

▽いわゆる納税者訴訟の判決で土地売買契約の無効確認請求及び所有権移転登記抹消請求を容認した例（千葉地判38・3・29)

民 事

〇抵当権者が仮登記権利者に対して抵当権の実行を通知するには、登記簿上の仮登記権利者の住所に宛ててするをもって足り、右通知が到着しなかった場合でも、民法九七条ノ二による公示送達の方法を執ることを要しない（大阪高決昭38・2・4)

〇信託法一一条違反の債権譲渡と認められた事例（札幌高函館支判38・2・12)

▽一、政党に対する名誉段損は金銭賠償に親しむか（消極）

二、風評形式の新聞記事と名誉段損の成否（東京地判37・12・25)

▽解約申入の正当事由として裁判所の相当と認める金額を立退料として提供する旨の申出があった場合の扱い（東京地判昭38・3・2)

▽国のアルコール工場の廃水により被害を受けた稲作の損害と井戸掘費用の賠償（水戸地土浦支判昭37・8・31)

商 事

▽会社設立者間の会社敷地の提供契約が財産引受又は第三者のためにする契約にあたらないとされた事例（東京地判38・3・19)

刑 事

▽車体検査証等を会社に返還を命ずる仮処分は違法（浦和地判38・1・16)

▽兇器を準備して集合したうえすすんで殺人行為に及んだ場合の罪数（甲府地判昭38・3・28)