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判例時報 No.2611〔評論 No.791〕
             2025年2月1日 号 定価:1470円 (本体価格:1336円+10%税)

<最新判例批評>
萩野 貴史 田近 肇
 
裁量基準の適用違法(2)
 ─合理的裁量基準の不合理な適用・矯正行政の実務を踏まえて─……常岡 孝好
 
■判決録
<行政>1件
<民事>2件
<労働>1件
<知的財産権>1件


◆記  事◆

裁量基準の適用違法(2)
─合理的裁量基準の不合理な適用・矯正行政の実務を踏まえて─……常岡 孝好

◆判決録◆

行 政

▽1 訴訟上の和解条項に基づき分割金の支払が履行されたことにより残債務が免除された場合に、その債務免除による利益が一時所得として所得税の課税対象となるとされた事例
2 訴訟上の和解条項に基づく分割金の支払中に債務者に相続が発生した場合に、分割金の支払が履行された場合に免除される残債務について、相続税の課税においては消極財産として扱われなかった場合であっても、その後分割金の支払が履行された場合の債務免除による利益を一時所得として所得税の課税対象としたことが二重課税の排除(所得税法9条1項16号〔令和3年法律第11号による改正前のもの〕)の趣旨に反しないとされた事例
3 訴訟上の和解に向けて支出された弁護士費用等が、同和解の条項に基づく分割金支払義務履行時の残債務の免除による利益について、「その収入を得るために支出した金額」(所得税法34条2項)に該当するものとして所得税課税において一時所得から控除することができるとされた事例
(東京地判令5・3・14)

民 事

▽換金可能と謳ったポイント商品を販売したものの、事情変更による改定を認める規約を根拠に換金停止措置をとった事業者について、前記規約による改定の効力を否定し、換金停止期間中はポイントの有効期間も進行しないとして、顧客からの換金請求を認容した事例
(東京地判令5・9・4)

▽中学生2名が同じクラスの生徒に対して悪口などのいじめを繰り返した行為につきそれぞれ不法行為に該当するとされた一方で、被害生徒の両親が加害生徒1名に対して行ったヒアリング行為が不法行為に該当するとはいえないとされた事例
(東京地判令5・10・30)

労 働

▽日本人客室乗務員とオランダの航空会社との間で日本法を準拠法として締結された有期労働契約の効力について、法の適用に関する通則法12条1項によりオランダ法の強行規定が適用された結果、無期転換が認められた事例
(東京地判令5・3・27)

知的財産権

▽1 子供用椅子「TRIPP TRAPP」の原告主張に係る商品形態が商品等表示に該当しないとされた事例
2 被告製品の製造販売等が子供用椅子「TRIPP TRAPP」を複製又は翻案するものではないとされた事例
(東京地判令5・9・28)

判例評論

25 えい児の死体を段ボール箱に二重に入れて接着テープで封をし、自室の棚の上に置いた行為が、刑法190条にいう「遺棄」に当たらないとされた事例
(最二判令5・3・24)……萩野 貴史

26 墓地、埋葬等に関する法律10条の規定により大阪市長がした納骨堂の経営等に係る許可の取消訴訟と納骨堂の周辺住民の原告適格
(最三判令5・5・9)……田近 肇

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