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判例時報 No.2482
             2021年7月11日 号 定価:850円 (本体価格:773円+10%税)

■書評
樋口英明『私が原発を止めた理由』
評者 除本理史
 
■判決録
<民事> 5件
<労働> 2件
<刑事> 1件


◆書 評◆

樋口英明『私が原発を止めた理由』(旬報社、2021年)
評者……除本理史

◆判決録細目◆

民 事

◎事業協同組合の理事を選出する選挙の取消しを求める訴えに同選挙が取り消されるべきものであることを理由として後任理事又は監事を選出する後行の選挙の効力を争う訴えが併合されている場合における先行の選挙の取消しを求める訴えの利益

(最一判令2・9・3)

○国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、父である抗告人が、母である相手方に対して、子をその常居所地国であるアメリカ合衆国に返還するよう求めた事案において、同法28条1項4号(重大な危険)の返還拒否事由があると認めて、子の返還申立てを却下した原決定を取り消し、同返還拒否事由等は認めることはできないとして子の返還を命じた事例

(東京高決令2・1・21〈参考原審:東京家決令1・9・13〉)

○国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、母である相手方が、父である抗告人に対して、子をその常居所地国であるアメリカ合衆国(米国)に返還するよう求めた事案において、子の常居所地国を米国であるとした上で、同法28条1項4号(重大な危険)の返還拒否事由があると認められないことから、子の返還を認めた原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例

(東京高決令2・6・12〈参考原審:東京家決令2・2・28〉)

○区分所有建物の管理組合の理事会規則(理事排除条項)が、管理規約による委任の範囲を逸脱しているなどの理由で無効であるとされた事例

(大阪高判令1・10・3〈参考原審:大阪地判平31・4・9〉)

▽娩出された胎児が巨大児として出生し右上肢肩肘機能全廃の後遺障害が残った事故について、出産を担当した産婦人科医に、帝王切開をすべき注意義務、帝王切開へと分娩術を変更できるような態勢を構築すべき注意義務があったとはいえないとされた事例

(大阪地判令2・3・13)

労 働

▽使用者が開催条件に固執したため団体交渉が開催されなかった場合において、不当労働行為(労働組合法7条2号)の成立を認めた事例

(東京地判令2・1・30)

▽市診療所所長であった医師の自殺につき、診療業務、患者虐待問題や病床廃止計画への対応による負荷が、総合的に評価すると精神疾患を発症させるほど過重であったとして、公務起因性を認め、公務外災害認定処分を取り消し、公務災害処分の義務付けをした事例

(盛岡地判令2・6・5)

刑 事

▽1 死亡した被害者が19名、負傷にとどまった被害者が24名に上る殺人、殺人未遂等の事件につき、被告人を死刑に処した事例
2 犯行時の責任能力の有無及び程度につき、動因逸脱症候群を伴う大麻精神病にり患していた疑いは残らず、大麻又はこれに関係する何らかの精神障害が本件犯行に影響を与えたとは考えられないとして、完全責任能力を有していたと認めた事例

──相模原殺傷事件(横浜地判令2・3・16)

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