判例時報 No.2247
平成27年4月1日 号 定価:1466円
(本体価格:1333円+10%税)
<最新判例批評>
岡田正則 佐野裕志 竹之内一幸 小畑史子 丹羽正夫
■判決録
<行政> 2件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<刑事> 1件
<最新判例批評>
岡田正則 佐野裕志 竹之内一幸 小畑史子 丹羽正夫
■判決録
<行政> 2件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<刑事> 1件
◆判決録細目◆
◎岡山県議会の議員が県から交付された政務調査費の支出に係る一万円以下の支出に係る領収書その他の証拠書類等及び会計帳簿が民訴法二二〇条四号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例
▽親子会社間の継続的な製品供給契約において、期初に一定の価格を設定して同価格による代金の支払が行われた後、期中又は期末に親会社の指示に基づき子会社が売上値引き及び単価変更により売上を減額した場合における当該減額分が法人税法(平成一八年法律第一〇号による改正前)三七条七項の寄附金に該当しないとして、法人税の更正処分等が取り消された事例
◎共同企業体を請負人とする請負契約における請負人「乙」に対する公正取引委員会の排除措置命令等が確定した場合「乙」は注文者「甲」に約定の賠償金を支払うとの約款の条項の解釈
○重病児の親の窓口相談に対する市の窓口担当者の対応が違法な行政指導であるとして市の国家賠償責任が認められた事例
▽不動産登記申請手続を受任した司法書士が登記義務者の本人確認義務を怠り成りすましを看過したことにつき債務不履行による損害賠償義務が認められた事例(過失相殺七割)
▽一 昭和五六年頃販売された土地・建物に東日本大震災による液状化が発生する等した場合、土地、建物の販売業者等の不法行為責任、瑕疵担保責任が否定された事例(①事件)
二 平成一五年以降販売された土地に東日本大震災による液状化が発生する等した場合、土地の販売業者、建物の建築業者等の不法行為責任、瑕疵担保責任が否定された事例(②事件)
▽未成年後見人が未成年被後見人の受領した保険金を横領したことにつき、家事審判官に未成年後見人に対する監督につき著しい義務違反があるとして、国の損害賠償責任が認められた事例
○一 平成二三年法律第六三号による特許法一二六条二項改正後の訂正の再抗弁提出についての要件が説示された事例
二 特許権侵害訴訟において、特許法一〇四条の三に基づく権利行使の制限に対する対抗主張としての訂正の再抗弁は、原則として、実際に適法な訂正請求又は訂正審判請求を行っていることが必要である
三 特許権者による訂正請求等が法律上困難である場合には、公平の観点から、その事情を個別に考察し、適法な訂正請求等を行っているとの要件を不要とすべき特段の事情が認められるときには、当該要件を欠く訂正の再抗弁の主張も許される
四 無効審判の請求時期・内容や訂正の内容などにかんがみて、特許権者が訂正請求又は訂正審判請求ができないのが自らの責任に基づくものである場合には、訂正の再抗弁を主張するに際し、適法な訂正請求等を行っているという要件を不要とすべき特段の事情は認められない――共焦点分光分析事件控訴審判決
◎関税法一一一条三項、一項一号の無許可輸出罪につき実行の着手があるとされた事例
一六 足立区反社会的団体規制条例に基づく過料処分が十分な説明を欠くものとして取り消された事例
一七 民事再生法上の共益債権に当たる債権につき、これが本来共益債権である旨の付記をすることもなく再生債権として届出がされ、この届出を前提として作成された再生計画案を決議に付する旨の決定がされた場合において、当該債権を再生手続によらずに行使することの許否
一八 市の常勤的非常勤職員の退職手当の支給請求が認容された事件
一九 派遣先で被ったセクシュアル・ハラスメント被害に関して職場環境配慮義務違反があったとして派遣元会社に対して派遣労働者が行った慰謝料請求が認められた事例――東レエンタプライズ事件
二〇 重度精神発達遅滞の被告人に対する常習累犯窃盗事件につき、心神喪失と認めて無罪が言い渡された事例