判例時報 No.2252
平成27年5月21日 号 定価:845円
(本体価格:768円+10%税)
■判決録
<行政> 1件
<民事> 9件
<労働> 2件
<刑事> 2件
■判決録
<行政> 1件
<民事> 9件
<労働> 2件
<刑事> 2件
◆記 事◆
◆判決録細目◆
○課長職にあった労働者が発症した心肺停止・低酸素性脳症が業務上の疾病に当たるとされた事例
◎一 確定判決により干拓地の潮受堤防の排水門を開放すべき義務を負った者が第三者の申立てに基づく仮処分決定により右排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情がある場合における右確定判決に基づく間接強制決定の許否(①事件)
二 仮処分決定により干拓地の潮受堤防の排水門を開放してはならない旨の義務を負った者が第三者の提起した訴訟の確定判決により右排水門を開放すべき義務を負っているという事情がある場合における右仮処分決定に基づく間接強制決定の許否(②事件)
○警察官から挙動不審のために職務質問を受けた不法残留の中国人が、警察官の警告と威かくにもかかわらず、石灯籠の上部の宝珠を警察官の頭に振り下ろすなど激しく抵抗したため、警察官が急迫不正な侵害を回避するために発砲し、当該中国人が死亡した場合について、差戻控訴審において国家賠償責任が否定された事例
○財務局の発した業務改善命令に基づき証券会社が提出する改善報告書作成のための調査結果をまとめた文書及びその調査の際に営業員二名が提出した調査票の自己利用文書性が否定され,文書提出命令が認められた事例
○強姦されたことを理由とする仮差押え及び損害賠償請求の訴えの提起・継続が不法行為に当たるとされた事例
○行政書士が、交通事故の被害者との間で締結した自賠責保険の申請手続、書類作成及びこれに附随する業務に関し報酬の支払を受ける旨の契約が、弁護士法七二条に違反し無効であるとされた事例
▽一 労働契約に付随して締結された金銭消費貸借契約が労働基準法五条、一六条に違反し、同法一三条、民法九〇条により無効であるとされた事例
二 労働契約に付随して締結された金銭消費貸借契約に基づいて労働者に交付された金銭の不当利得返還請求が不法原因給付に当たるとして棄却された事例
▽リゾート地の分譲別荘地の管理委託契約に基づく管理費の値上げをめぐる紛争について、値上げが認められ、別荘地の所有者らによる解除の効力が否定された事例
▽コインパーキングに設置されていたフラップ板が上がったままの状態になっており、これに接触した車両が損傷したという事故について、土地工作物の設置又は保存についての瑕疵の存在が否定された事例
▽転院先の病院で敗血症により死亡した両下肢閉塞性動脈硬化症の罹患患者に対する、転院前に入院加療をしていた病院の医師の敗血症の感染防止、その検査・治療及び右閉塞性動脈硬化症の診察・治療に過誤があったとはいえないとされた事例
◎女性労働者につき妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置が、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」九条三項の禁止する取扱いに該当するかが争われた事例
○「業務委託契約」と称される契約を締結して事業主が開設する事業場において業務を提供していた者からの労働審判申立てが個別的労働関係民事紛争に該当しないとして申立てを却下した原決定を取り消し、事件が原裁判所に差し戻された事例
◎最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対する不服申立ての許否
▽一九歳の少年に対する二件の傷害保護事件について検察官関与決定をし,両事件の非行事実を認定した事例
◆最高裁判例要旨(平成二七年二月分)