判例時報 No.2259
平成27年8月1日 号 定価:1466円
(本体価格:1333円+10%税)
<最新判例批評>
吉田邦彦 上机美穂 君塚正臣 奥邨弘司
小林道生 小俣勝治 安田拓人
■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<労働> 1件
<刑事> 1件
<最新判例批評>
吉田邦彦 上机美穂 君塚正臣 奥邨弘司
小林道生 小俣勝治 安田拓人
■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<労働> 1件
<刑事> 1件
◆記 事◆
◆判決録細目◆
▽条件附採用の公立中学校教員に対してなされた免職処分につき,その判断の基礎となる校長の業績評価書の総合評価が,生活指導・進路指導に関する不合理な評価を含むほか,不十分な初任者研修にとどまった弊害に留意することなく判断したものであることから,これに依拠した免職処分が違法とされた事例
○保険契約者の放火について、保険契約者が自由な意思決定をすることができない状態で事故を生じさせたということはできないとして、保険者の免責が認められた事例
○相続放棄の熟慮期間について、起算点は、相続債務が存在することを知った時とすべきであるとされた事例
▽使用済核燃料等の輸送容器に関する学会標準の策定をめぐる審議及び決議に関与した学者についての新聞記事及びウェブサイト上の記事の内容が名誉毀損に当たるとし、全国紙の発行会社及び記者の不法行為が肯定された事例
▽一 ニューヨークに居住する被告に対する不貞行為及び名誉毀損を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求について,平成二三年法律第三六号による改正(国際裁判管轄に関する改正)前の民訴法(以下「改正前民訴法」という。)の不法行為地の裁判籍及び併合請求の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定した事例
二 不貞行為による不法行為に基づく損害賠償請求の結果発生地がニューヨークであるとして,同州法を準拠法とし,同州法では不貞行為に基づく損害賠償請求が廃止されているとして,不法行為に基づく損害賠償請求を棄却した事例
三 同一の行為でされた二名に対する名誉毀損による不法行為に基づく損害賠償請求について,X₁については,常居所地法であるニューヨーク州法を準拠法とし,X₂については,常居所地法である日本法を準拠法とし,ニューヨーク州法及び日本法をそれぞれ適用して,損害賠償請求を認容した事例
▽ゴルフ場の営業再開断念と福島第一原子力発電所の事故との相当因果関係が否定された事例
▽漁港内において,未明に無灯火で操船中の漁船に対して,航行中の漁船が後方から衝突した事故につき,双方に過失を認め,過失割合を七対三とした事例
▽トンネル入口の壁面に衝突して運転者が死亡した交通事故について、偶然かつ外来の原因によるものとして傷害保険金等の請求が認容された事例
▽一 労働組合等に対する便宜供与を一律禁止する条例の憲法二八条適合性
二 公立小中学校等の教職員の職員団体が教育研究集会の会場として市立小学校の学校施設を目的外使用することを不許可とした校長の処分が裁量権を逸脱濫用した違法なものであるとされた事例
三 条例に従って違法な処分を行った公務員の国家賠償法上の過失の有無
◎裁判員裁判における審理及び裁判の特例である区分審理制度と憲法三七条一項
三六 遺産共有と通常の物権編共有とが併合する場合の共有物分割方法――価格賠償の場合の賠償金の性質・保管義務
三七 ストリートビューと題するサービスにおける画像の撮影及びインターネット上への公開行為が不法行為上の違法性を有しないとされた事例
三八 株主会員制のゴルフ場会社及びその運営団体が性別変更を理由に入会及び株式譲渡承認を拒否したことに対して、憲法一四条一項及び国際人権B規約二六条の趣旨から公序良俗に反し違法であるとして損害賠償を認められるか(積極)
三九 ファッションショーにおけるモデルの化粧や髪型と衣服やアクセサリーのコーディネートの著作物性が否定された事例
四〇 テレビ番組制作のため中国ロケを行っていた日本人スタッフが現地の有力者らと宴席でアルコール濃度の高い白酒による乾杯を繰り返すなどして泥酔し就寝中に吐瀉物を誤嚥して死亡した事故につき、傷害保険普通保険約款に定められている「急激かつ偶然な外来の事故」に該当するとし、疾病免責や心神喪失免責の抗弁を否定して保険金の請求が認容された事例
四一 会社分割(吸収分割)に当たっての転籍合意の手続が労働契約承継法の趣旨を潜脱するものとして、転籍合意が公序良俗に違反し無効とされ、分割会社との労働契約が承継会社に承継されるとされた事例
四二 心神喪失者等医療観察法四二条一項三号の同法による医療を行わない旨の決定に対する同法六四条二項の抗告の可否