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判例時報 No.2269*
             平成27年11月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 10件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例 (383)……升田 純
二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(3)
 ――「平和安全法制」雑感――……園部逸夫

◆判決録細目◆

行 政

▽刑務所長が花粉症の症状を訴えた受刑者に速やかに医師の診察等を受けさせなかったことが、国家賠償法上違法であるとされた事例

(広島地判平27・2・17)

民 事

○前審判の後に事情の変更があったものとして婚姻費用分担金の額を減額するについては、未だ十分な審理が尽くされていないとして事件を原裁判所に差し戻した事例

(東京高決平26・11・26)

○出産後母子同室制度をとる病院において、新生児が低酸素性虚血性脳症に罹患したことにつき、病院のスタッフに経過観察義務違反及び説明義務違反はなかったとして病院側の損害賠償責任が否定された事例

(福岡高判平27・6・19)

▽遺産分割協議につき錯誤無効が認められた事例

(東京地判平27・4・22)

▽医療法人が開設する病院で,くも膜下出血に対する手術を受けて入院中の患者が,術後五日目に蒸しパンを喉に詰まらせ窒息したことについて,看護師に適切な食事介助を怠った注意義務違反があるとして,患者の医療法人に対する損害賠償請求が認容された事例

(東京地判平26・9・11)

▽自由診療として実施された第三者の脂肪細胞由来の体性幹細胞を用いた幹細胞治療について,担当医の説明義務違反を肯定し、当該義務違反と治療の実施との間の因果関係を肯定した事例

(東京地判平27・5・15)

▽建物に設置された電気式床暖房製品の欠陥が認められ、製造業者の製造物責任が肯定された事例

(東京地判平27・3・30)

▽債権者が債権者代位権に基づき、債務者の第三債務者に対する貸金債権に基づく貸金の返還等を請求する訴訟を提起したが、この訴訟に先行して債務者が第三債務者に対して同貸金債権に基づく貸金の返還等を請求する訴訟を提起し、貸金債権の譲渡を受けたと主張する譲受人が独立当事者参加した訴訟において、貸金債権の消滅が認められ、債務者が敗訴判決を受け、確定したという事情がある場合、債権者の貸金債権の主張立証が別件訴訟の確定判決の既判力によって許されないとされた事例

(東京地判平27・3・3)

▽破産管財人から土地所有権を買い受けた者及びその転得者には、背信的悪意者排除の法理は適用されないとされた事例

(京都地判平27・1・15)

▽一 権利能力なき社団であるイベント実行委員会が地方公共団体を共催者として実施したイベントの会場内に飲食店用の大型テントを設置したところ,突風により同テントが飛散し,来場者が死亡した事故が発生した場合において、同テントにつき設置,保存,管理の瑕疵があるとはいえないと判断された事例
二 気象台から気象情報及び大雨,雷,洪水注意報等が発表されているとしても,イベントの主催者等が大型テントを飛散させるほどの強風の発生を予測して,来場者に避難指示等をすべき注意義務を怠った安全配慮義務違反があるとはいえないと判断された事例

(名古屋地判平27・2・19)

▽死因贈与契約について民法九九四条一項の準用を否定した事例

(水戸地判平27・2・17)

知的財産権

▽「melonkuma」を商標とする商標権に基づき損害賠償請求をする行為が、ご当地キャラクター「メロン熊」が周知性、著名性を獲得し、強い顧客吸引力を得たことを奇貨として権利行使をするものであり、また、商標登録取消審判に対する対抗手段である疑いが強いとして、商標法上の権利を濫用するものであるとされた事例

(大阪地判平26・8・28)

商 事

▽家庭用自動車総合保険契約に基づく保険金請求について、第三者の放火行為によることの外形的事実が合理的な疑いを超える程度にまで立証されたとはいえないとして、棄却された事例

(名古屋地判平27・2・3)

労 働

○国鉄の不法行為によりJRに採用されなかったとして、一人当たり慰謝料五〇〇万円が認められた事例――千葉動労事件控訴審判決

(東京高判平25・9・25)

刑 事

◎一 競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たるとされた事例
二 競馬の外れ馬券の購入代金について、雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができるとされた事例

(最三判平27・3・10)

※訂正箇所

●本誌96頁・参照条文
 誤 …三七条Ⅰ
 正 …三七条1

●本誌101頁・参照条文

誤 …二条Ⅵ
正 …二条6

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