バックナンバー

判例時報 No.2272*
             平成27年12月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 8件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情(下)――平成二六年度――……細谷泰暢
現代型取引をめぐる裁判例 (385)……升田 純
二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(4)――結社の季節に――…毛利 透

◆判決録細目◆

行 政

○目的外に使用された補助金にかかる交付決定を取り消してその返還を求めないことが違法な怠る事実であると主張して提起された住民訴訟において、その取消決定が行われていない時点においても、地方自治法二四二条一項所定の「財産」に属する補助金返還請求権の管理を怠る行為に該当すると解された事例

(仙台高判平27・7・15)

民 事

○原審での訴訟上の和解を控訴人の真意に出たものではないとして無効と判断し、原審の訴訟終了宣言判決を取り消し、和解無効を確認した上で、本案判断をした事例

(東京高判平26・7・17)

○いわゆる位置指定道路の通行を妨害された者の敷地所有者に対する妨害行為の排除及び被告の妨害行為の禁止を認めた事例

(大阪高判平26・12・19)

○弁護士が法律相談のため受領した相談者の手紙を別件訴訟において文書として提出したことが、プライバシー侵害の不法行為に当たるとされた事例

(広島高判平27・6・18)

○子の老親に対する扶養料は、扶養権利者の必要とする自己の平均的生活を維持するために必要である最低生活費から同人の収入を差し引いた額を超えず、かつ、扶養義務者の扶養余力の範囲内の額とするのが相当とした事例

(札幌高決平26・7・2)

▽工業製品の継続的な売買契約において,買主の発注義務違反による債務不履行責任が否定され,売主の取引継続の拒否による債務不履行責任が肯定された事例

(東京地判平27・2・6)

▽本訴請求権を被保全債権とする仮差押命令が保全異議により被保全債権不存在を理由として取り消された後になされた本訴提起及び右仮差押命令申立てが不法行為を構成するとして弁護士報酬相当額の損害賠償が命じられた事例

(東京地判平27・2・3)

▽夫の不貞行為当時,未だ婚姻関係が破綻していなかったとして,妻から夫の不貞の相手方女性に対する慰謝料請求が一部認容された事例

(東京地判平27・2・3)

▽風力発電による騒音被害が受忍限度内であるとして、これに基づく運転差止請求及び慰謝料請求が否定された事例

(名古屋地豊橋支判平27・4・22)

知的財産権

◎一 物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されているいわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームにおける特許発明の技術的範囲の確定(①事件)
二 物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されているいわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームと明確性要件(①事件)
三 物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されているいわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームにおける発明の要旨の認定(②事件)

(①・②最二判平27・6・5)

商 事

▽一 全部取得条項付種類株式を利用したスクイズアウトに係る株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該決議を追認するために行われた決議について決議不存在の確認の利益が認められた事例
二 右追認のための決議の不存在が確認された事例

(東京地判平27・3・16)

刑 事

◎別件で刑事施設に収容されている再審請求人の届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の付郵便送達が有効とされた事例

(最二決平27・3・24)

※訂正箇所

●本誌36頁・参照条文
 誤 …二四二条の二
 正 …二四二条の二Ⅰ

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP