判例時報 No.2607
2024年12月21日 号 定価:850円
(本体価格:773円+10%税)
裁量基準の適用違法(1)
─合理的裁量基準の不合理な適用・矯正行政の実務を踏まえて─……常岡 孝好
■判決録
<行政> 3件
<民事> 1件
<労働> 2件
<刑事> 1件
◆記 事◆
裁量基準の適用違法(1)
─合理的裁量基準の不合理な適用・矯正行政の実務を踏まえて─……常岡 孝好
◆判決録◆
行 政
▽厚生労働大臣がした障害基礎年金を支給しない旨の処分が、裁定請求者は障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあったとして取り消された事例
(東京地判令5・2・9)
▽「主要農作物種子法を廃止する法律」により廃止された主要農作物種子法3条1項所定の指定種子生産ほ場の指定を受けていた採種農家につき、その指定を受ける地位確認の利益が肯定されたが、憲法13条、22条、25条及び29条の各権利の侵害は否定された事例
(東京地判令5・3・24)
▽コンゴ民主共和国の国籍を有する外国人男性に対して東京出入国在留管理局長がした難民の認定をしない処分が違法であるとされた事例
(東京地判令5・1・12)
民 事
◎遺言により相続分がないものと指定され、遺留分侵害額請求権を行使した相続人は、特別寄与料を負担するか(消極)
(最一決令5・10・26)
労 働
◎外国人の技能実習に係る監理団体の指導員が事業場外で従事した業務につき、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三判令6・4・16)
▽地方自治体職員に対する条件付採用期間の勤務成績不良を理由とする免職処分につき、裁量権の逸脱・濫用、公正原則違反、育児休業等を理由とする不利益取扱いによる違法があるとは認められないとされた事例
(宮崎地判令5・10・18)
刑 事
▽犯人性が争点となっている強制わいせつ被告事件において、DNA混合試料の分析・評価を行うなどした上で、被告人が犯人であると認定するには合理的な疑いが残るとして無罪を言い渡した事例
(横浜地判令5・8・7)