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判例時報 No.2602〔評論 No.788〕
             2024年11月1日 号 定価:1470円 (本体価格:1336円+10%税)

<最新判例批評>
柳川 重規 斉藤 邦史
 
■書評
千葉勝美『同性婚と司法』
評者  曽我部 真裕
 
■判決録
<民事>2件
<労働>2件
<知的財産権>1件


◆書 評◆

千葉勝美『同性婚と司法』(岩波書店、2024)
評者……曽我部 真裕

◆判決録◆

民 事

○警察署の保護室に収容された抗告人が保護室内の映像記録について文書提出命令の申立てをした事案において、監督官庁による民事訴訟法223条4項に基づく意見について相当の理由があると認めるに足りず、同法220条4号ロの要件も満たさないとして、映像記録の提出を命じた事例
(東京高決令5・12・12〈参考原審:東京地決令3・4・28〉)

▽弁護士が、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3条1項に基づき、ファクタリング取引を行う業者の預金口座に係る取引の停止等の措置を求めたことにつき、不法行為が成立しないとされた事例
(東京地判令5・1・18)

労 働

○条件付採用期間中の地方公共団体職員に対する人事院規則11-4(職員の身分保障)10条2号に基づく分限免職処分が、処分の前提となる成績評価に恣意が入りすぎて厳しすぎ、また分限免職に代わる手段も検討されていないこと等を理由に、違法として取り消された事例
(福岡高判令5・11・30〈参考原審:熊本地判令5・3・24)

▽1 大学と外国人専任教員との有期労働契約の通算期間が5年となる更新合意につき、労働契約法18条1項の潜脱目的であるとの主張を排斥して有効と認めた事例
2 前記労働者に対する通算8年間の有期労働契約期間満了に伴う雇止めにつき、労働契約法19条2号に基づく更新を認めた上で、同法18条1項に基づき期間の定めのない労働契約への転換を認めた事例
(長崎地判令5・1・30)

知的財産権

○量産衣料品の生地に用いるデザイン案として作成され、後に量産品の布団に用いられた絵柄の著作物性を否定した事例
(大阪高判令5・4・27〈参考原審:大津地判令4・2・22〉)

判例評論

19 強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例
(最一判令4・4・28)……柳川 重規

20 情報ネットワークの運営者に対するメッセージの削除請求が認容された事例―ツイート削除請求事件
(最二判令4・6・24)……斉藤 邦史

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