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判例時報 No.2599〔評論 No.787〕
             2024年10月1日 号 定価:1470円 (本体価格:1336円+10%税)

<最新判例批評>
高林  龍 村上 正子 小島 秀夫
 
実務と学説からみた憲法訴訟(10)
「群馬の森追悼碑訴訟」事件
 ―都市公園における記念碑と表現の自由―……下山 順
 
「自由と給付」の一局面
 ─「群馬の森」追悼碑裁判と表現の自由─……柴田 憲司
 
■判決録
<行政>1件
<民事>4件
<労働>2件


◆記  事◆

実務と学説からみた憲法訴訟(10)
「群馬の森追悼碑訴訟」事件
―都市公園における記念碑と表現の自由―……下山 順

「自由と給付」の一局面
─「群馬の森」追悼碑裁判と表現の自由─……柴田 憲司

◆判決録◆

行 政

◎甲船と乙船が衝突した事故に係る海難につき小型船舶操縦士である甲船の船長に職務上の過失があるとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最三判令6・1・30)

民 事

◎抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と前記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意の効力を抵当権者に対抗することができるか(消極)
(最二判令5・11・27)

○1 審判に代わる決定に基づいてされた面会交流の実施を求める間接強制の申立てについて、同決定が定めていた面会交流の条件がその後にされた決定の確定により失効したことから、当該確定の日以降の部分が不適法であるとされた事例
2 面会交流の実施を求めた間接強制の申立てが権利の濫用に当たらないとされた事例
(東京高決令5・1・17)

○公立小学校の正課授業として実施された図画工作の作業中に同級生が木材に打ち込まれた釘を抜くためマイナスドライバーを用いた際に、その先端が向かい側で木材を押さえていた児童の眼に当たり負傷した事故について、指導教諭にマイナスドライバーの使用方法に関する説明指導義務及び監督義務を怠った注意義務違反があるとして国家賠償責任が認められた事例
(大阪高判令5・1・12)

▽1 テレビジョン放送をされた逮捕に関する報道番組の内容につき被逮捕者に対する名誉毀損に係る不法行為の成立を認めた事例
2 取材対象者の容ぼうが撮影された取材時の映像を放送した報道番組につき同取材対象者の人格的利益を侵害するものとして不法行為の成立を認めた事例
(東京地判令5・3・24)

労 働

○1 新型コロナウイルス感染対策として懇親会を含む社内イベントの開催を控えるよう要請される中、深夜まで会食した部下が帰宅時に駐車場内で飲酒運転により物損事故を起こした事案において、就業規則に基づく等級制度(職務別等級システム)による課長補佐相当の等級から係長相当の等級への降格決定が無効とされた事例
2 降格決定により減額された賞与の差額の請求が、本人の人事評価の実績と会社の人事評価の運用から降格前の等級として人事評価をすれば受けられたはずの成果評価を前提に算定した差額の限度で認容された事例
(仙台高判令5・1・26)

▽1 陸上自衛隊の自衛官が、幹部自衛官名簿の登載順序が示す自衛官の順位と部隊等の指揮権を行使する順序が逆転する人事の後に適応障害を発症したことについて、国が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
2 陸上自衛隊の自衛官が行った公務災害の申出に対し、補償事務主任者が実施機関に報告することなく公務災害に該当しない旨の通知を行ったことについて、国が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
(熊本地判令5・2・7)

判例評論

16 1 特許権者が、侵害品と需要者を共通にする同種の製品であって、市場において競合関係にある製品を輸出又は販売していた場合には、侵害行為により特許権者の製品の売上げが減少したものと評価でき、特許法102条2項が適用される
2 特許法102条2項による損害額の推定が一部覆滅される場合であっても、推定覆滅部分について、特許権者が実施許諾をすることができたと認められるときは、同条3項が適用される──椅子式マッサージ機事件知財高裁大合議判決
(知財高判令4・10・20)……高林  龍

17 子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三決令4・11・30)……村上 正子

18 外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最二判令4・5・20)……小島 秀夫

◆最高裁判例要旨(2024(令6)年4・5月分)

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