判例時報 No.2592
2024年7月11日 号 定価:850円
(本体価格:773円+10%税)
最高裁刑事破棄判決等の実情
──令和4年度──……熊代 雅音
■判決録
<民事> 7件
◆記 事◆
最高裁刑事破棄判決の実情
——令和4年度——……熊代 雅音
◆判決録細目◆
民事
◎1筆の土地の一部分についての所有権移転登記請求権を有する債権者が当該登記請求権を被保全権利として当該土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立てをした場合における保全の必要性の有無
(最三決令5・10・6)
◎マンションの建築工事の注文者から前記マンションの敷地を譲り受けた行為が請負人の注文者に対する請負代金債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例
(最一判令5・10・23)
○当事者間の合意に基づいて養育費の支払を求める場合には、地方裁判所に対して訴えの提起をして判決を求める民事訴訟手続によるべきであって、家庭裁判所に対して家事審判の申立てをすることはできないとして、原審判を取り消して申立てを却下した事例
(東京高決令5・5・25〈参考原審:千葉家松戸支審令4・9・16〉)
▽芸能事務所との間の専属契約終了後においても無期限に芸能人自身による芸名使用を当該事務所の承諾に係らしめる旨の条項が公序良俗に反し無効であるとされた事例
(東京地判令4・12・8)
▽市立保育所に通園していた当時3歳2か月の幼児が給食のホットドッグを誤嚥して心肺停止となった事故につき、幼児にホットドッグを提供したことや誤嚥後の対応等に違法性はないとして、幼児及び家族の市に対する国家賠償請求を棄却した事例
(東京地判令4・10・26)
▽統合失調症に罹患していた成人男性が心神耗弱状態で引き起こした殺傷事件に関し、同居の親は、加害男性の病状の悪化を認識しながらこれを放置していた等の具体的な事情の下で、その者について、民法709条に基づく不法行為が成立すると解するのが相当であるとして、同居の母親に対する損害賠償請求を認めた事例
(大阪地判令4・10・25)
▽いわゆる振り込め詐欺において振込先として使用された口座の名義人につき、幇助による共同不法行為責任が肯定された事例
(東京地判令5・2・22)