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判例時報 No.2558
             2023年8月11日 号 定価:850円 (本体価格:773円+10%税)

■書評
北河隆之『交通事故損害賠償法〔第3版〕』
評者 加藤新太郎
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆書 評◆

北河隆之『交通事故損害賠償法〔第3版〕』(弘文堂、2023)
評者……加藤新太郎

◆判決録細目◆

行 政

▽1 地方公務員法46条所定の勤務条件とは、給与、勤務時間、職場での安全衛生、執務環境など、職員の勤務の提供に関連した待遇であり、同条所定の措置要求の対象となる勤務条件は、当該職員に関する勤務条件について直接かつ具体的に維持、改善を求めるものであることを要するか(積極)
2 地方公共団体の職員が人事委員会に対してした地方公務員法46条に基づく措置要求の要求事項について、措置要求の対象として取り上げることができないとした判定の一部が違法であるとされた事例

(東京地判令4・2・24)

民 事

◎1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性

(最一判令4・12・12)

○証券会社の従業員による勧誘行為につき説明義務ないし情報提供義務違反、実質的一任売買の違法があるとして、証券会社と当該従業員に対する損害賠償請求が一部認容された事例(過失相殺7割)

(名古屋高判令4・2・24〈参考原審:名古屋地岡崎支判令2・12・23〉)

▽法定管轄裁判所に訴えが提起され、管轄違いを理由とする専属的合意管轄裁判所への移送の申立てがされた事案において、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため、専属的合意管轄裁判所に移送せず、法定管轄裁判所において自ら審理及び裁判をするのが相当であるとされた事例

(大阪地決令4・9・8)

労 働

○従業員に対する不利益取扱いにつき、使用者に不当労働行為意思を認め、人事上の裁量に基づく正当化理由に関する主張(理由の競合)を認めなかった事例

(東京高判令3・10・13〈参考原審:東京地判令3・2・22〉)

刑 事

▽特定少年である少年が、営利目的で大麻を譲渡し、営利目的で大麻を所持した大麻取締法違反保護事件において、犯情の重さに加え、少年の保護処分歴や犯行後の情況、少年の性格、年齢、環境等を考慮し、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例

(神戸家尼崎支決令4・12・8)

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