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判例時報 No.2511〔評論 No.758〕
             2022年5月1日 号 定価:1470円 (本体価格:1336円+10%税)

<最新判例批評>
 渋谷 雅弘  内海 博俊  原 弘明  弘中 章
 
裁判手続のIT化のこれから・
 市民にとって利用しやすい裁判とは(上)
 ──日弁連主催・第29回司法シンポジウム
   「民事裁判手続のIT化とこれからの司法」
   第4部 パネルディスカッション(前半)
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 5件
<商事> 2件
 
◆最高裁判例要旨(2021(令3)年12月分)


◆特 集◆

裁判手続のIT化のこれから・市民にとって利用しやすい裁判とは(上)
 ──日弁連主催・第29回司法シンポジウム
   「民事裁判手続のIT化とこれからの司法」第4部 パネルディスカッション(前半)

◆判決録細目◆

行 政

▽映画製作会社がした文化芸術振興費補助金に係る助成金の交付申請に対し、その製作映画の出演俳優が麻薬及び向精神薬取締法違反による有罪判決を受けたことを理由に前記助成金を交付しないとした処分が、独立行政法人日本芸術文化振興会理事長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとされた事例

(東京地判令3・6・21)

▽1 中部地方整備局長及び静岡県知事が行った鉄道高架化に係る都市計画の事業計画の各変更認可について、同都市計画の事業地周辺に居住等する者の原告適格が否定された事例
2 前記各変更認可の前提となる都市計画決定が違法とはいえないとされた事例
3 前記各変更認可が、前記都市計画決定後の社会・経済情勢の変化との関係において違法とはいえないとされた事例

(静岡地判令2・12・24)

民 事

○商品にベーコンビッツの骨片の残存可能性についての警告表示がなかったことをもって、商品が通常有すべき安全性を欠いていたとはいえないとした事例

(東京高判令2・1・15〈参考原審:東京地判平31・4・12〉)

○太陽光発電事業者が保険会社との間で太陽光発電所設置工事につき組立保険契約を締結していた場合において、河川の氾濫により工事の材料であった太陽電池モジュール(太陽光パネル)が浸水した保険事故の保険金の対象となる復旧費につき、「保険事故発生前の正常な状態と物理的、機能的に同一の状態に復するために必要な費用に限られる」とした事例

(福岡高宮崎支判令2・7・8〈参考原審:宮崎地判平31・3・20〉)

○婚姻意思がなかったことを理由とする婚姻無効確認請求訴訟について棄却された原判決が控訴審において取り消され、婚姻無効が確認された事例

(札幌高判令3・3・10〈参考原審:札幌家判令2・3・27〉)

▽1 キャバクラ店の従業員である被告が使用者である原告との間でした、被告が私的交際をせずこれに違反した場合は原告に対して違約金200万円を支払う旨の合意は、労働基準法16条に違反し無効であると判断された事例
2 前記合意が、公序良俗に反し無効であると判断された事例

(大阪地判令2・10・19)

▽申立人ら夫婦が申立人母の非嫡出子を養子にすることの許可を求めた事案において、申立人父との関係ではニュージーランド法を、申立人母との関係では日本法をそれぞれ準拠法として認定した上、各準拠法における養子縁組の要件を検討し、申立てを許可した事例

(東京家審令3・1・27)

商 事

◎会社法182条の4第1項に基づき株式の買取請求をした者が同法182条の5第5項に基づく支払を受けた場合における前記の者の同法318条4項にいう「債権者」該当性

(最二判令3・7・5)

▽金融商品取引法166条1項1号の規定に違反して上場会社等の特定有価証券等の売買をしたことを理由とする課徴金納付命令について、業務執行を決定する機関が同条2項1号ヨ(令和1年法律第71号による改正前のもの)の「業務上の提携」を行うことについての決定をしたとは認められないとされた事例

(東京地判令3・1・26)

◆最高裁判例要旨(2021(令3)年12月分)

判例評論

5 数筆の宅地が一画地の宅地として認定される場合における、各筆の宅地の評価方法

(最一判令2・3・19)……渋谷雅弘

6 司法解剖に関連する資料の文書提出義務―鑑定書の写し等の刑事事件関係書類等該当性(①決定)及び解剖写真の法律関係文書該当性(②決定)

(①②最三決令2・3・24)……内海博俊

7 公認会計士協会から上場会社監査事務所名簿への登録を認めない旨の決定を受けた公認会計士らにつき、その実施した監査手続が当該監査において識別すべきリスクに個別に対応したものであったか否か等の点を十分に検討することなく当該決定の前提となる監査の基準不適合の事実はないとして当該決定の差止めを認めた原審の判断に違法があるとされた事例

(最二判令2・11・27)……原 弘明

8 市診療所所長であった医師の自殺につき、診療業務、患者虐待問題や病床廃止計画への対応による負荷が、総合的に評価すると精神疾患を発症させるほど過重であったとして、公務起因性を認め、公務外災害認定処分を取り消し、公務災害処分の義務付けをした事例

(盛岡地判令2・6・5)……弘中 章

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