判例時報 No.2483
2021年7月21日 号 定価:850円
(本体価格:773円+10%税)
裁判制度のパラダイムシフト
─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(5)
──憲法裁判において最高裁判所をサポートする
システムその1──アミカスキュリィ……笹田栄司
■書評
水町勇一郎『詳解 労働法』
評者 大内伸哉
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<労働> 1件
<刑事> 1件
◆最高裁判例要旨(2021(令3)年2月分)
◆記 事◆
裁判制度のパラダイムシフト─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(5)
──憲法裁判において最高裁判所をサポートするシステムその1
──アミカスキュリィ……笹田栄司
◆書 評◆
水町勇一郎『詳解 労働法』(東京大学出版会、2019年)
評者……大内伸哉
◆判決録細目◆
行 政
▽人工呼吸器による呼吸管理等の医療的ケアが必要な児童につき、地域の小学校に就学させたいとの父母の意向に反する、県教育委員会による特別支援学校への就学通知が違法でないとされた事例
(横浜地判令2・3・18)
民 事
○売主が買主に対し、隣地所有者の立会いを得た上で資格のある者が作成した確定測量図を交付する旨約した土地の売買契約において、一部隣地所有者の署名押印がない確定測量図を交付したことが、約定の義務の履行とは認められないとされた事例
(名古屋高判令1・8・30〈参考原審:名古屋地判平31・3・26〉)
○先天性の脳性まひにより身体障害者福祉法別表第1級の認定を受け、特別支援学校に在籍していた生徒が、給食介助中の誤嚥により窒息状態に陥り、低酸素脳症に由来する重篤な脳障害を後遺した事故について、既存障害と新たに生じた障害とが、日本スポーツ振興センターが行う災害共済給付制度における「同一部位についての障害」に該当し、かつ、同一の障害等級となることを理由として、障害見舞金の支払請求を棄却した事例
(福岡高判令2・7・6〈参考原審:福岡地久留米支判平30・8・10〉)
▽1 被相続人の所有地について生前締結された賃貸借契約の初回の賃料支払日の到来以前に被相続人が死亡した事案において、同賃貸借契約が租税特別措置法施行令40条の2第1項にいう準事業に当たるとして、租税特別措置法69条の4の小規模宅地等の特例の適用があると判断した事例
2 税理士法人が相続税申告の代理業務に係る委任契約上設けていた損害賠償責任を制限する旨の条項について、消費者契約法10条後段に反し無効と判断した事例
(横浜地判令2・6・11)
労 働
▽1 対外秘である行内通達等を無断で多数持ち出し、出版社等に漏えいしたことを理由とする銀行員への懲戒解雇が有効とされた事例
2 前記懲戒解雇を理由とする退職金の不支給について、7割を不支給とする限度で合理性を有するとされた事例
(東京地判令2・1・29)
刑 事
○協議・合意制度に基づく合意内容書面の信用性判断のための協議・合意に関して作成した文書の類型証拠開示を認めなかった事例
(東京高決令1・12・13〈参考原審:東京地決令1・10・18〉)
◆最高裁判例要旨(2021(令3)年2月分)