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判例時報 No.2450・2451(秋季合併号)
             2020年9月11・21日 号 定価:1700円 (本体価格:1545円+10%税)

裁判制度のパラダイムシフト──過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(2)
 判例に現れた「司法権」の批判的検討
 ──「純然たる訴訟事件」の墨守?……笹田栄司
 
特集 「検察庁法改正法案」が意味するもの
 ⑶ 憲法問題としての検察制度の個人的な感想……棟居快行
 ⑷ いともたやすく行われるえげつない行為……横大道聡
 ⑸ 「#検察庁法改正案に抗議します」の衝撃
  ──芸能事務所への独占禁止法の適用とその民主的意義……木下昌彦
 ⑹ 検察官の「定年制」および検察幹部の「留任特例」について
  ──憲法の視座から……高見勝利
 
少年法適用年齢引下げに反対する意見書提出の経緯について
 ……元裁判官呼掛け人一同
 
■判決録
<民事> 9件
 


◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト──過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(2)
 判例に現れた「司法権」の批判的検討
 ──「純然たる訴訟事件」の墨守?……笹田栄司

特集 「検察庁法改正法案」が意味するもの
 ⑶ 憲法問題としての検察制度の個人的な感想……棟居快行
 ⑷ いともたやすく行われるえげつない行為……横大道聡
 ⑸ 「#検察庁法改正案に抗議します」の衝撃
  ──芸能事務所への独占禁止法の適用とその民主的意義……木下昌彦
 ⑹ 検察官の「定年制」および検察幹部の「留任特例」について
  ──憲法の視座から……高見勝利

少年法適用年齢引下げに反対する意見書提出の経緯について……元裁判官呼掛け人一同

◆判決録細目◆

民 事

○法定相続人である抗告人らが相続放棄の各申述をした事案において、抗告人らの各申述の遅れは、相続放棄手続が既に完了したとの誤解や被相続人の財産についての情報不足に起因しており、抗告人らの年齢や被相続人との従前の関係からして、やむを得ない面があったというべきであるから、本件における民法915条1項所定の熟慮期間は、抗告人らが、相続放棄手続や被相続人の財産に関する具体的説明を受けた時期から進行するとして、熟慮期間を経過しているとして本件各申述を却下した原審判を取り消し、各申述をいずれも受理する決定をした事例

(東京高決令1・11・25〈参考原審:①前橋家太田支審令1・9・10、②同令1・10・3掲載〉)

○別居中の妻である相手方が、夫である抗告人に対し、当事者間の子である未成年者らの監護者の指定及び引渡しを求めた事案において、これまでの監護実績に明らかな差はないところ、未成年者らが、父母の同居中の住居と同じ校区内で就学するなど従前からの生活環境によく適応していること、抗告人の監護能力と未成年者らとの関係に問題は見受けられず、未成年者らと相手方との面会交流も安定的に実施されていること等の事情を考慮すれば、未成年者らにとっては、現状の生活環境を維持した上で、県外の実家に転居した相手方との面会交流の充実を図ることが最もその利益に適うなどとして、相手方の申立てをいずれも却下した事例

(福岡高決令1・10・29〈参考原審:福岡家大牟田支審平31・2・22掲載〉)

▽被告の開設する病院に急性腹痛で救急入院した原告妊婦がCT検査により子宮破裂と診断されて緊急帝王切開手術を受けたが死産となったことについて、産科医の当初の診察及び検査時に原告妊婦が子宮破裂を発症していたとはいえず、これを見逃した過失はなく、次いで担当した内科医も腹部全体の触診による判断に過誤があるとは言えないとされた事例

(東京地判令1・8・29)

▽1 東北地方太平洋沖地震により建物の車路スロープが崩落した事故について、建物の構造設計監理者及び意匠設計監理者の不法行為責任が肯定され、施工者の不法行為責任が否定されるとともに、施主に4割の過失相殺がされた事例
2 民法717条3項の求償権について、土地工作物責任者の過失が競合する場合、各責任者の負担部分の限度で行使することができるとし、施主に4割の過失相殺をした上で、意匠設計及び監理の統括会社の責任を1割5分、設計変更前の構造設計及び構造監理の一部の担当会社の責任を2割、設計変更後の構造設計及び構造監理の一部の担当会社(及びその代表取締役)の責任を2割5分とし、民法724条の類推適用を否定して消滅時効完成を否定した事例

(東京地判令1・6・7)

▽拘置所に収容されている受刑者が慢性骨髄性白血病により死亡したことにつき、拘置所の医師らに、前記受刑者に投与する薬剤を変更する注意義務違反はなかったとして、国家賠償請求が棄却された事例

(東京地判令1・8・9)

▽1 国会が民法750条及び戸籍法74条1号の改廃を行わない立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例(①事件)
2 民法750条及び戸籍法74条1号は、憲法14条1項、24条に違反するものではないなどとして、国会が民法750条及び戸籍法74条1号を改廃する立法措置をとらないという立法不作為の違法を理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求を棄却した事例(②事件)

(①東京地立川支判令1・11・14、②広島地判令1・11・19)

▽被相続人がした複数の遺言の効力及び解釈について相続人間に争いがあり、これに関して民事訴訟の提起が予定されている遺産分割事件につき、遺産全部の分割を2年間禁止する旨の審判がされた事例

(名古屋家審令1・11・8)

▽原子力委員会又は経済産業大臣が福島第一原子力発電所の地震及び津波対策並びにシビア・アクシデント及びステーションブラックアウト対策に関して規制権限を行使しなかったことが許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くとまで認めることはできず、国家賠償法1条1項の違法性があるとはいえないとされた事例

(山形地判令1・12・17)

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