判 例 特 報

①史書に基づき発掘された八咫の鏡の所有権のきすう（岡山地津山支判昭40・1・19)

②交通事故による死者の遺族らに対し総額七二九万円余の賠償が認められた例（東京地判昭40・2・24)

③示談当時予期しなかった損失に対する労災保険給付金につき国は求償権を有する（大阪高判39・12・21）

民事

◎債務者の夜逃げの手伝いが債権の第三者侵害にあたらないとされた事例（最一判昭40・1・28)

◎貸金債権およびこれを担保する不動産の売買予約における完結権などに関して成立した調停について右予約完結権の行使の効果が代物弁済的性質から清算的性質に変更したものと認められないとした事例（最三判昭39・12・22)

◎土地賃借権の無断譲渡につき賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるものとはいえないとされた事例（最二判39・12・25）

〇譲渡担保により賃借地上の建物の所有名義を移転した者は建物保護法の保護を受けられぬ（東京高判昭39・10・7)

〇遺産の分割前に処分された相統財産の分割（東京高決昭39・10・21)

〇約定の場所以外の場所における弁済の提供が有効となる条件（大阪高判39・12・15)

○表見代表取締役のした裁判上の和解は無効であるが私法Lの和解としては有効（広島高判昭40・1・20)

○競売手統終子後の競落許可決定取消と競落人の所有権の帰趨（福岡高判昭39・12・12)

○仮執行宣言付支払命令の取消判決と仮執行宣言の失効（高松高決39・11・19）

〇一、民法五七〇条、五六六条に基づく売主の取庇担保責任の範囲

二、いわゆる信頼利益の賠償を認めた事例（札幌高判昭39・11・28)

▽建物占有移転禁止仮処分執行後、同一建物の収去等を命ずる仮処分の執行の能否（東京地決昭39・9・18）

▽法定地上権の成否と禁反言的法理（東京地判昭39・11・16)

商 事

▽更正管財人からの否認の請求が認容された事例（神戸地決昭40・2・19）

労 働

〇退職金の譲受人は直接公社に対し支払を請求できない（東京高判昭40・2・25)

刑 事

◎刑訴法三三二条の適用範囲（最三決昭39・12・25)