判例時報 No.0354
昭和38年12月21日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
判 例 特 報 ①一、刑事被告事件における国選弁護人は、私選弁護人のように被告人と直接の委任契約関係に立たないけれども、善良な管理者の注意義務をもって弁護活動を行うべき法律上の義務を被告人に対する関係におい […]
判 例 特 報 ①一、刑事被告事件における国選弁護人は、私選弁護人のように被告人と直接の委任契約関係に立たないけれども、善良な管理者の注意義務をもって弁護活動を行うべき法律上の義務を被告人に対する関係におい […]
判 例 特 報
①一、刑事被告事件における国選弁護人は、私選弁護人のように被告人と直接の委任契約関係に立たないけれども、善良な管理者の注意義務をもって弁護活動を行うべき法律上の義務を被告人に対する関係において負担する
二、刑事被告人は、客観的にいかに理由なき不服であっても、これを裁判所に提出して、その理由の有無につき判断を受ける主観的な利益を法によって保障されているから、かかる意味の控訴権を奪われたことによる精神上の苦痛は、それ自体として、右の注意義務を怠り実質上控訴権を奪った国選弁護人に対して、慰籍料の支払義務を認めるに値する
(東京地判昭38・11・28)
②課税処分取消訴訟の性質
(東京地判昭38・10・30)
判決録
行政
○一、税務署長がした決定通知書の送達の瑕疵と決定の効力
二、書類送達による行政処分の効力の発生と受送達者の了知の要否
三、郵便物受領について代理権限があると認められた例
(大阪高判昭38・5・14)
民 事
○売買契約の解除と農地法三条の適用
(最二判昭38・9・20)
◎婚姻予約の不当破棄による慰籍料の請求が認められた事例
(最一判昭38・9・5)
◎借家人の無断増築が著しい不信行為であるとして無催告の賃貸借契約解除が有効とされた事例
(最二判昭38・9・27)
◎必要的共同訴訟にあたらない事例
(最三判昭38・10・1)
○特別高圧架空電線路下の一定の空間に対しても占有権が成立する
(大阪高判38・ 7・ 4)
▽土地の譲渡担保契約が公序良俗に違反すると認められた事例
(大阪地判昭38・2・26)
▽電話加入権の譲渡承認をするについての電信電話公社の注意義務
(名古屋地判昭38・10・31)
▽占有移転禁止の仮処分執行後債務者から目的家屋を賃借居住した者と家屋収去土地明渡の本案判決の執行力
(福岡地飯塚支判昭38・9・26)
▽建物収去土地明渡の請求が権利の濫用と認められた事例
(千葉地判昭38・11・15)
▽所有権移転登記申請委任状についての証書真否確認の訴の適否
(山形地判昭38・2・27)
▽無効の登記名義人名義で土地を収用されたことによる所有者の損害額
(尼崎簡判昭38・8・12)
労 働
▽一、就業規則の適用を誤り懲戒解雇が無効とされた事例
二、仮処分の必要性なしとした例
(長崎地判昭38・8・27)
刑 事
◎一、公職選挙法(昭和三七年法律一一二号による改正前のもの)二五二条にいう選挙権、被選挙権停止の要件、基準は不明確か
二、公職選挙法二三九条一号の罪の構成要件である同法一二九条にいう選挙運動の意義は不明確か
(最三決昭38・10・22)
○検察官作成の控訴申立書に肩書の誤記または遺脱がある場合と控訴申立の適否
(最二決昭38・10・25)
○相被告人の供述の虚偽であることを理由とする再審申立の適用条文
(名古屋高決昭38・10・3)
▽信号機に従う要なく三叉路に進入した車両が右折する際対面する信号機に従うことの要否
(愛知中村簡判昭38・7・10)