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判例時報 No.2287
             平成28年5月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

本人訴訟における審理手続と本人への支援のあり方……遠藤賢治
 
法曹実務にとっての近代立憲主義
 ──第五回 政教分離 最高裁判例を読み直す──……泉 徳治
 
現代型取引をめぐる裁判例(395)……升田 純
 
在外研究だより(5)
 ──図書館、講座、インスティテュート──……小野秀誠
 
■判決録
<行政> 3件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件
 
◆最高裁判例要旨(平成二八年一月分)


◆記 事◆

本人訴訟における審理手続と本人への支援のあり方……遠藤賢治

法曹実務にとっての近代立憲主義 ──第五回 政教分離 最高裁判例を読み直す──……泉 徳治

現代型取引をめぐる裁判例(395)……升田 純

在外研究だより(5) ──図書館、講座、インスティテュート──……小野秀誠

◆判決録細目◆

行 政

◎地方税法一一条の八にいう「滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」の意義
(最二判平27・11・6)

▽一  収賄罪の共謀共同正犯として懲役刑に処する有罪判決が確定した元知事に対して退職手当の返納を求める請求が適法とされた事例(①事件)

二  収賄罪の共謀共同正犯として懲役刑に処する有罪判決が確定した元知事に対する退職手当の返納命令が適法とされた事例(②事件)
(①・②福島地判平27・6・23)

民 事

○幼稚園内で園児が虐待されたとする週刊誌の記事について名誉毀損が問われた事案で、当該園児や目撃園児の話したことにつき、その者らから話を聞いた父母等の陳述書や証言によって、信用し得るとして、重要な部分につき真実であるとの証明があったと認定された事例
(東京高判平27・6・29)

○落雷に伴い生じた瞬間電圧低下により電子機器に損傷を生じたことが店舗総合保険普通約款にいう「落雷によって生じた損害」には当たらないとして、保険金請求が棄却された事例
(高松高判平28・1・15)

▽クレジットカードの不正使用があったか否かが争われた事案において、当該クレジットカードが当該会員により利用されたことを認めた上で、クレジットカード会員規約中の免責条項を適用し、会員を免責した事例
(東京地判平27・8・10)

▽分譲マンションに多数のコア抜きの瑕疵が存在し、管理組合と販売業者、施工業者との間で補修工事の施工等を内容とする調停が成立し、工事が施工された場合、販売業者、施工業者の区分所有者らに対する共同不法行為の成立が否定された事例
(東京地判平27・93)

▽一般産婦人科病院の当直医師について、超低出生体重児に対して、気管挿管の上で陽圧人工換気をすべき義務はないとされた事例
(大阪地判平26・10・21)

▽事故により死亡した者の遺影を撮影し報道した行為が、遺族のプライバシー権及び、静穏に故人を悼む利益や敬愛追慕の情を侵害しないとされた事例
(津地四日市支判平27・10・28)

知的財産権

○一  原告の特許権を侵害する被告装置に対して、点検整備、部品交換、修理を行う行為の差止請求は、間接侵害品である部材の交換の差止請求権の行使を実効あらしめるために必要な範囲を超える過大な請求であって、許されないとされた事例

二  特許法一〇二条三項の「その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」とは、原則として、侵害品の売上高を基準とし、そこに、当該特許発明自体の価値や当該特許発明を当該製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献などを斟酌して相当とされる実施料率を乗じて算定すべきであるとされた事例
(知的財産高判平27・11・12)

労 働

○一  看護師らに対する不適切な言動等を理由とする医師に対する解雇が有効とされた事例

二  医療法人に雇用された医師による割増賃金・付加金の支払請求につき、割増賃金は一部を除いて年俸制賃金に含める旨の合意が医師と医療法人との間で有効に成立していることを認め、当該合意の対象に含まれない割増賃金及び算定方法が一部不適切であったために既払いの割増賃金額が過少であった分の限度で未払割増賃金が存在するとした第一審判決の判断を維持した上で、第一審判決後に供託がなされたことによって当該未払割増賃金は消滅し、これによって第一審判決が命じていた付加金支払についても支払義務がなくなったとされた事例
(東京高判平27・10・7)

刑 事

▽成年後見人として活動した弁護士に対する家事審判官による権限行使が公務員職権濫用罪に該当するかが争われた事例
(岐阜地決平27・10・9)

◆最高裁判例要旨(平成二八年一月分)

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