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判例時報 No.2024
             平成21年2月1日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

行政 ○本邦上陸の約八年後に在留資格を偽って上陸許可を受けていたことが判明した中国人夫婦及び未成年の子のうち、子についてのみ在留を特別に許可すべき事情が認められたとして、当該末成年の子に在留特別許可を認めなかった裁決等が […]


行政

○本邦上陸の約八年後に在留資格を偽って上陸許可を受けていたことが判明した中国人夫婦及び未成年の子のうち、子についてのみ在留を特別に許可すべき事情が認められたとして、当該末成年の子に在留特別許可を認めなかった裁決等が取り消された事例

(大阪高判平20・5・28)

民事

○身体障害者の単独での航空機への搭乗を拒否したことについて、航空会社に債務不履行及び不法行為責任が認められないとされた事例

(大阪高判平20・5・29)

○マンションの売買における違約金特約は信義則上手付金二〇〇万円のほか二〇〇万円を認めるのが相当であるとされた事例

(福岡高判平20・3・28)

▽一 賃貸期間を一〇年とする定期建物賃貸借の賃借人が破産し、破産管財人が破産法五三条一項に基づき契約を解除した場合において、敷金全部を違約金として返還しない旨の特約が有効とされた事例

二 右契約解除の後、破産管財人が原状回復をせずに建物を明け渡した場合において、賃貸人の原状回復費用請求権が財団債権に当たるとされた事例

(東京地判平20・8・18)

▽会社の申し立てた株主が株主総会にビデオカメラ、カメラ、マイク、スピーカーを持ち込むことを禁止する仮処分が認められ、保全異議でも同仮処分が認可された事例

(東京地決平20・6・25)

▽マンションの購入者らがその販売業者がその後に建築・販売したマンションによって眺望が阻害されたとして当該業者に対して求めた債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例

(大阪地判平20・6・25)

▽豪雨により浸水被害を被った住民が、国及び県に対し、A河川の洗堰を閉鎖しなかったためA河川が破堤し浸水したとして、河川に対する管理上の塀庇があるとして求めた国家賠償責任が否定された事例

(名古屋地判平20・3・14)

▽県道の歩道を電動式足踏自転車で走行中の高齢者が歩道右側の水路に転落重症を負いその後に死亡した事故につき、県の県道設置上の瑕疵があるとして県の損害賠償責任が認められた事例

(大津地彦根支判平20・9・18)

知的財産権

○システム関連発明に係る特許無効不成立の審決に対する取消訴訟において、ソフトウェアの試作等に関与した者を発明者でないとした審決が取り消された事例

(知的財産高判平20・2・7)

〇一 土地宝典について著作物性が認められた事例

二 国が、本訴請求に係る各土地宝典を各法務局に備え置いて利用者に貸し出すとともに、各法務局内にコインコピー機を設置し、当該コインコピー機を用いた利用者による無断複製行為を放置していたことは、不特定多数の第三者 (各法務局内に設置されたコインコピー機を用いて、本件土地宝典を無断複製した者)による本件土地宝典の複製権侵害行為をほう助したものであって、国は、共同不法行為者とみなされるから、不法行為による使用料相当額の損害を賠償すべき責任を負うとされた事例

三 国は、本件土地宝典の複製権侵害行為を帯助したことにより、民法七〇三条所定の利益を受けたとは認められないとして、不法行為の消滅時効が完成した期間に係る不当利得返還請求が認められなかった事例

四 著作権法一一四条の五による相当な損害額が認定された事例

――「土地宝典」著作権侵害訴訟控訴審判決 (知的財産高判平20・9・30)

刑事

◎被告人が、自らの暴行により相手方の攻撃を招き、これに対する反撃としてした傷害行為

について、正当防衛が否定された事例 (最二判決平20・5・20)

◆最高裁判例要旨平(成二〇年一一月分)

最新判例批評

六 賃料自動改定特約のある建物賃貸借契約の賃借人からの賃料減額請求の当否等を判断するに当たり、上記特約による改定前に当事者が現実に合意した直近の賃料を基にすることなく、上記特約によって増額された賃料を基にして、増額された日から当該請求の日までに限定して経済事情の変動等を考慮した原審の判断に違法があるとされた事例

(最二判平20・2・29)……小山泰史

七 暴行現場に居た少年の法的義務

(最一判平20・2・28)……青野博之

八 商標登録の不使用取消審決が維持された事案において、輸出用商品に商標を付する行為は平成一八年改正前の商標法の下における「商標の使用」(商標法五〇条一項)に該当しないとされた事例

(知的財産高判平19・10・31)……中山一郎

九 有価証券報告書等に虚偽記載があることが発覚し、上場廃止となった株主からの損害賠償請求――西武鉄道株主集団訴訟事件(①事件)・同機関投資家事件(②事件)第一審判決

(①、②東京地判平20・4・24)……松嶋隆弘

一〇 交通事故の被害者被(保険者)が人身傷害補償保険の保険金の支払を受けた後に加害者に対する損害賠償請求訴訟を提起した場合において、被害者にも過失があるとされたときに、保険金を支払った保険会社が保険代位により取得する被害者の加害者に対する損害賠償請求権は、保険金と同訴訟において認容された加害者に対する損害賠償金との合計額が同訴訟において認定された被害者の損害額を上回る限度に限られるとされた事例

(東京高判平20・3・13)……甘利公人

一一 航空機事故と航空管制ミス――日航機ニアミス事故控訴審判決

(東京高判平20・4・11)……土本武司

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