判 例 特 報

①詐欺罪における保護の対象は事実上の所持か

（最二判昭34・8・28)

②犯罪の日時に六年間の幅のある場合と訴因の特定

―白山丸事件控訴審判決（福岡高判昭34・7・16)  7

③船価の交渉に際していわゆるリペートの交付を受ける約束をする行為と背任罪

―播磨造船関係疑獄事件第一審判決（神戸地判昭34・5・6)

④子会社が親会社に使用させるために建物賃貸借の更新を拒絶した揚合における正当事由の判定

（東京地判昭34・9・14)

判 決 録

行 政

▽国税徴収と私法上の保証の効力

（東京地判昭34・8・7)

民 事

◎真正な代表者でない者の一審における訴訟追行につき二審で追認があったものとされた事例

（最一判昭34・8・27)

〇差押禁止債権の範囲拡張の裁判をなし得るための要件

（東京高決34・6・22)

▽仮処分取消の特別事情としての金銭補償の意味

（東京地判昭34・7・25)

▽相統により共同賃借人が生じた場合における総括代理人の認定

（東京地判昭34・9・8)

▽山を買って植林したがその登記未了の間に第三者がこれを買い受けその登記をした場合と立木の帰属

（和歌山地新宮支判昭34・8・26)

商 事

〇代表取締役退任後、後任代表取締役が選任されるまでの間に旧代表取締役によって振り出された約束手形の効力

（東京高判昭34・7・15)

〇保険会社の支店次長の千着分の服地買受と表見代理の成否

（名古屋高判昭34・8・3）

刑 事

◎証券会社が顧客からの委託により買付けて引渡を受けた株式は刑法二五三条にいわゆる「他人ノ物」にあたるか

（最二判昭34・8・28)

▽心神喪失者に対する起訴状謄本送達の効力

（三条簡決昭34・8・18)