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判例時報 No.2076
             平成22年7月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

 


◆記事◆

「事務管理」についての覚書……西理

現代型取引をめぐる裁判例(257)……升田純

◆判例特報◆

沖縄返還「密約」文書開示事件第一審判決(東京地判平22・4・9)

◆判決録◆

行政

◎市営と畜場の廃止に当たり市が利用業者等に対してした支援金の支出が、国有財産法一九条、二四条二項の類推適用又は憲法二九条三項に基づく損失補償金の支出として適法なものであるとはいえないとされた事例

(最三判平22・2・23)

民事

◎北海道内の高速道路で自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして自損事故を起こした場合において、小動物の侵入防止対策が講じられていなかったからといって上記道路に設置又は管理の塀庇があったとはいえないとされた事例

(最三判平22・3・2)

◎損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算する場合における中間利息控除の方法はホフマン方式によらなければならないか(最三判平22・1・26)

○日本国籍の亡父と外国籍の母との間の嫡出子として戸籍上記載されている子について、間接事実の積み重ねによって、嫡出の推定が排除される場合にあたるとした上、父子関係の

不存在確認請求が認められた事例

(東京高判平22・1・20)

○新聞報道された市議会議員選挙の立候補者の氏名の記載に誤りがあったことを理由とする新聞社に対する損害賠償請求訴訟の控訴審において同請求を消滅時効の完成を壇由に棄却した第一審判決を取り消し、不法行為の成立を否定して同請求が棄却された事例

(名古屋高判平21・11・18)

○統合失調症の患者が、病院入院中に自殺したことにつき、病院側の損害賠償責任が否定さ

れた事例

(福岡高那覇支判平22・2・23)

▽防衛装備品の水増し請求につき専門納入業者の不法行為が認められた事例

(東京地判平21・12・2)

知的財産権

○本願商標(「アイディー」の片仮名文字を標準文字で害して成る。)は、商標法三条一項六号所定の「需要者が何人かの業務に係る商品…であることを認識することができない商標」に該当するとした審決が維持された事例

(知的財産高判平21・9・8)

▽一 著作権侵害行為の侵害主体性について判断された事例

二 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダー責任制限法)三条一項ただし書の「発信者」の該当性について判断された事例

三 著作権法一一四条の五を適用して損害額の認定がされた事例

四 継続的不法行為に基づき将来発生すべき損害賠償請求の可否について判断された事例

(東京地判平21・11・13)

▽書籍のイラストの著作者が、住宅建設会社の小冊子中のイラストは書籍イラストを複製し又は翻案したものであるとして、差止と廃棄を求めたが、棄却された事例

(大阪地判平21・3・26)

商事

▽海外先物取引について適合性原則違反、説明義務違反、新規委託者保護義務違反、両建の勧誘禁止義務違反、「向かい玉」に関する説明義務違反による当該取引の違法性を認め、受託会社の担当者・取締役の不法行為責任、同社の代表取締役の不法行為責任ないし任務懈怠責任及び同社の使用者責任に基づく顧客に対する損害賠償が命じられた事例

(千葉地判平22・1・28)

労働

○長時間勤務を継続していた労働者が勤務中に突然左下肢動脈急性閉塞によるS状結腸壊死等を発症し死亡したことにつき、業務起因性が認められるとして、労災給付不支給処分が取り消された事例

(東京高判平20・2・28)

◆最高裁判例要旨(平成二二年四月分)

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