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判例時報 No.2387
             平成31年1月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

在外研究だより(13)
 ──在外研究で得たもの──……田中 謙
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<刑事> 1件
 


◆記 事◆

在外研究だより(13)
 ──在外研究で得たもの──……田中 謙

◆判決録細目◆

行 政

▽障害者雇用枠の契約社員として就労している者の障害の状態が障害等級二級に該当するとされた事例

(東京地判平30・3・14)

民 事

○本人確認情報提供制度の資格者代理人たる司法書士には、登記申請人がなりすましであると疑うべき不審な言動をした場合に、通常行うべき身分証明書類の確認に加えて身分証明書類を発行した官公署等への問い合わせを行うべき義務があるのに、当該義務を怠ったため登記申請人がなりすましであると見抜けなかった過失があるとされた事例

(東京高判平29・12・13〈参考原審:東京地判平28・9・2掲載〉)

○保険契約者の代表取締役が反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係にあることを理由とする、保険会社による保険契約の解除の有効性(積極)

(広島高岡山支判平30・3・22〈参考原審:岡山地判平29・8・31掲載〉)

○東北地方太平洋沖地震後の津波により小学校児童が死亡した事故につき小学校の校長・教頭・教務主任及び教育委員会の安全確保義務違反を認め、市と県の損害賠償責任を肯定した事例

(仙台高判平30・4・26〈参考原審:仙台地判平28・10・26掲載〉)

▽仮想通貨ビットコインの交換取引所を運営していた会社が破産し、同取引所の利用者がビットコインの返還請求権として届け出た破産債権の金額が争われた破産債権査定異議事件において、利用者の主張する破産債権額が認められなかった事例

(東京地判平30・1・31)

▽警察署に保管中の押収物である現金が盗難被害に遭ったことによる、被押収者の占有権の侵害及び押収物還付請求権の侵害をいずれも否定した事例

(広島地判平30・4・24)

▽監査請求人の氏名、住所、職業等が記載された名簿の写しを市議会議員の全員協議会の出席者に配付した行為がプライバシーを侵害する違法行為であるとされた事例

(大津地判平30・2・27)

知的財産権

▽一 販売用の写真素材に著作物性が認められた事例
二 販売用の写真素材を参照してイラストを描き自らの作品に使用等した行為が右写真素材の複製及び翻案等に当たらないとされた事例

(東京地判平30・3・29)

商 事

◎賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において、当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に、当該賃借人が前記吸収分割がされたことを理由に前記定めに基づく違約金債権に係る債務を負わないと主張することが信義則に反し許されないとされた事例

(最三決平29・12・19)

刑 事

▽GPS捜査(車両に使用者らの承諾なく密かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する捜査)及び警察官によるけん銃使用(無抵抗の被告人に銃口を向けるなど)とこれに引き続く覚せい剤と尿の押収手続には、令状主義の精神を没却する重大な違法があり、それと密接に関連する覚せい剤及び尿に関する証拠を許容することは、将来における違法捜査抑制の見地から相当でないとして、証拠能力が否定された事例

(東京地判平29・5・30)

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