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判例時報 No.2280(別冊・総索引付)
             平成28年3月1日 号 定価:2098円 (本体価格:1907円+10%税)

<最新判例批評>
 齋藤由起 山本周平 若林三奈 橋口祐介 尾形 祥 緑 大輔

刑法判例と実務
 ――第三回罪刑法定主義――……小林憲太郎

■判決録
<行政> 3件
<民事> 7件
<知的財産権>1件
<商事> 2件
<刑事> 1件


◆記 事◆

刑法判例と実務 ──第三回 罪刑法定主義──……小林憲太郎

◆判決録細目◆

行 政

○一 刑訴法三九条一項の「接見」の意義

二 収容法一一七条・一一三条一項一号ロの「刑事施設の規律及び秩序を害する行為」の要件
三 庁舎管理権の意義
四 収容法一一三条一項の面会の一時停止の意義
五 収容法一一七条・一一三条二項の刑事施設の長の判断に基づき面会の終了の措置が執られたとされた事例

(東京高判平27・7・9)

○ 遺族補償年金の受給について夫のみに年齢要件を課す地公災法三二条一項が憲法一四条に違反しないとされた事例

(大阪高判平27・6・19)

○ 吹雪による雪の吹きだまりに自動車が埋まり運転者が一酸化炭素中毒により死亡した事故につき、特異な暴風雪によってできた吹きだまりに埋まる事故の発生を予見できたとは認め難いとして、道路管理者の国家賠償責任が否定された事例

(札幌高判平27・7・7)

民 事

◎ 訴訟の目的である金銭債権の数量的な一部に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において、請求が右数量的な一部に減縮された後の訴えを却下することの許否

(最二判平27・9・18)

◯ マンションの専有部分の売買、賃貸を組み合わせた不動産投資取引とともに締結された融資契約の締結における銀行の説明義務違反が否定された事例

(東京高判平27・5・26)

○ 直腸癌の手術を受けた患者が大量出血により死亡した事案において、担当医師に注意義務違反があるとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例

(大阪高判平27・5・29)

▽ 歯科医院に係る事業譲渡契約について譲渡人の債務不履行責任が肯定された事例

(東京地判平27・6・26)

▽ いわゆるテレフォンアポイントの代行を内容とする業務委託契約において、受託者が、見込顧客と委託者との面会約束を取り付けたとしても、当該見込顧客が委託者の面会の趣旨を踏まえて同約束に応じたのでなければ、受託者としての債務を履行したとはいえないとした事例

(東京地判平27・5・20)

▽ インターネット上でサクラを使って有料メール交換サイトを営んだとして、サイト運営会社が利用者に対し不法行為責任を負う場合において、当該利用代金の電子マネー決済システムを提供した電子マネー発行会社の責任を否定した事例

(東京地判平27・6・25)

▽ 解体工事の施工中に外壁が倒壊し、通行中の女子高生が死亡した事故について、工事施工業者らの責任は肯定されたが、元請業者らの責任は否定された事例

(岐阜地判平27・7・8)

知的財産権

▽ 不正競争防止法七条一項による侵害立証のための書類提出命令の申立てが認められた事例

(東京地決平27・7・27)

商 事

▽ 海外での携行品盗難事件につき、損害保険契約に基づく保険金支払請求における損害額の立証の程度等につき判断し、請求を認容した事例

(東京地判平27・8・6)

▽ 重度ストレス反応及び適応障害に罹患した者の自殺は、保険約款に定める免責条項である「自殺」には当たらないとされた事例

(甲府地判平27・7・14)

刑 事

▽ 通行人二名に対する無差別殺人の事案につき、①覚せい剤中毒後遺症による幻聴を理由とする心神耗弱及び②死刑選択に裁判体の全員一致を求めない裁判員法六七条の違憲性の主張を排斥した上で、③無差別殺人の悪質さなどから、刑事責任は重く、計画性が低いことも本件の事情の下では重視すべきでないとして、死刑を言い渡した事例

(大阪地判平27・6・26)

判例評論

一一  事前求償権を被保全債権とする仮差押えによって事後求償権の消滅時効の中断が認められた事例
(最三判平27・2・17)……齋藤由起

一二  弁護士会照会に対する報告拒絶と不法行為責任の成否

(名古屋高判平27・2・26)……山本周平

一三  中国籍技能実習生の死亡による損害

(千葉地判平26・9・30)……若林三奈

一四  建築後七九年を経過した木造建物の賃貸借につき、不動産業者が所有権を取得後間もなく解約を申し入れたこと等を考慮して解約の正当事由が否定された事例
(東京地判平27・2・5)……橋口祐介

一五  非上場会社における特に有利な発行価額による新株発行 ──アートネイチャー株主代表訴訟事件
(最一判平27・2・19)……尾形 祥

一六  被害者が被害状況等を再現した結果を記録した捜査状況報告書につき、刑訴法三二一条一項三号所定の要件を満たさないのに同法三二一条三項のみにより採用した第一審の措置を是認した原判決に違法があるとされた事例
(最一決平27・2・2)……緑 大輔

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