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判例時報 No.2279
             平成28年2月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

現代型取引をめぐる裁判例(390)……升田 純

在外研究だより(3)
 ──帝国自由都市、国境、ライヒ──……小野秀誠

■判決録
<行政> 2件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 2件
◆最高裁判例要旨(平成27年11月分)


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例(390)……升田 純

在外研究だより(3) ──帝国自由都市、国境、ライヒ──……小野秀誠

◆判決録細目◆

 行 政

◎一 外国法に基づいて設立された組織体が所得税法二条一項七号及び法人税法二条四号に定める外国法人に該当するか否かの判断の方法
二 米国デラウェア州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る投資事業に出資した者につき、当該賃貸事業に係る損失の金額を同人の所得金額から控除することができないとされた事例

(最二判平27・7・17)

◎ 登記簿の表題部の所有者欄に「大字西」などと記載されている土地につき、地方税法三四三条二項後段の類推適用により、当該土地の所在する地区の住民により組織されている自治会又は町会が固定資産税の納税義務者に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最二判平27・7・17)

 民 事

○ システム開発に係る多段階契約において、個別契約の成否及び個別契約の発注がある旨誤信させたことによる契約締結上の過失の有無が争われた事例

(東京高判平27・5・21)

▽ 医療法人の設立手続の一部に関する事務処理を受任した税理士が、依頼者の求めに応じて税務上の有利・不利を正しく説明する義務を怠ったとして、委任契約の債務不履行による損害賠償責任が認められた事例

(東京地判平27・5・28)

▽一 判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律に基づき裁判官が弁護士の職務として行った訴訟活動は公権力の行使に当たるか(消極)
二 訴訟代理人である弁護人らが証拠として提出した株主総会の議事進行を録画したDVDの反訳書の一部に虚偽があり、これに基づく虚偽の主張を行ったことが不法行為に当たらないとされた事例

(東京地判平27・5・25)

▽ 参議院議員選挙候補予定者が暴力団との交際を理由に所属政党の公認を取り消されたという事実の掲載により名誉が毀損されたとして、損害賠償及び被告週刊誌・ウェブサイトへの謝罪広告の掲載を請求し認容された事例

(東京地判平27・5・27)

▽ マンションの共有部分で区分所有者が専用使用権を有するバルコニーに設置された手すり壁のガラスに汚れがある場合、管理組合の修補拒否等に係る不法行為責任が否定された事例

(東京地判平27・7・17)

▽ 債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに設定された共同抵当権の実行による不動産競売事件における同時配当の方法

(大阪地判平26・12・4)

 知的財産権

○ 中学校用歴史教科書の個々の記述の創作性について判断した事例

(知的財産高判平27・9・10)

 商 事

○ 破産会社の社外監査役の任務懈怠責任が認められた上、責任限定契約の適用が肯定された事例

(大阪高判平27・5・21)

 労 働

▽一 アスペルガー症候群に罹患したことにより休職命令を受けた後自然退職扱いとなった労働者による労働契約上の地位確認請求が否定された事例
二 障害者基本法における雇用安定義務は努力義務であり、使用者に対し、障害のある労働者のあるがままの状態を、労務の提供として常に受け入れることまでを要求するものとはいえないとされた事例

(東京地判平27・7・29)

 刑 事

○一 検察官が略式命令を請求するに当たり、本件示談書を提出しなかったことを原審が問題視しなかった点に違法はないとされた事例
二 示談書が提出されていない状態で発出された略式命令の刑と示談書が提出された場合の刑が同じであるからといって、原判決の量刑が客観的合理性に欠けているとはいえないとされた事例

(東京高判平27・8・31)

▽ 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反の事実を否認している少年について、証人尋問を行って非行事実を認定した上で、少年の問題性を考慮して不処分とした事例

(東京家決平27・4・30)

◆最高裁判例要旨(平成二七年一一月分)

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