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判例時報 No.2143
             平成24年5月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
 ピンク・レディー事件上告審判決
  (最一判平24・2・2)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

絞首刑の法的根拠と残虐性……土本武司
民事裁判の基礎理論・法的判断の構造分析(1)(上)
 ――要件事実論とは、どのような考え方か……河村 浩
原子力損害賠償紛争解決センターにおける和解の仲介の実務 2……野山 宏
司法行政について(中)……西 理
現代型取引をめぐる裁判例 (301)……升田 純

◆判例特報

 一 人の氏名、肖像等を無断で使用する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合
二 歌手を被写体とする写真を同人に無断で週刊誌に掲載する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものではなく不法行為法上違法とはいえないとされた事例

――ピンク・レディー事件上告審判決(最一判平24・2・2)

◆判決録細目◆

行 政

○公共建設工事の受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を目的とする、受注予定者の決定方法の取り決め及び受注予定者の決める入札価格に対して他の入札者が協力することなどを内容とする基本合意が建設事業者団体において成立していたが、特定の工事対象について入札参加者が基本合意による受注調整が行われていたことについて認識していたと認めるに足る実質的証拠がないとして、公正取引委員会の排除措置命令の審判審決が取り消された事例

(東京高判平23・6・24)

民 事

○日本放送協会(NHK)の放送受信料債権を巡り、改正前の放送法の下でもケーブルテレビ加入者に受信契約の締結義務があるとされ、同債権について、民法一六九条により五年の短期消滅時効が認められた事例

(東京高判平24・2・29)

○椎弓切除術等を受けた患者に重篤な後遺障害が残った場合、担当医師に脊椎固定術実施の決定が遅れた注意義務違反があったとして、大学病院側の不法行為責任が認められた事例

(名古屋高金沢支判平23・11・30)

▽無限連鎖講に当たる事業を営んでいた訴外会社の破産管財人による元会員に対する不当利得返還請求が民法七〇八条(不法原因給付)により許されないとされた事例

(東京地判平24・1・27)

▽公立中学校の教員らが女子生徒の頭髪を黒色に染色した行為について、同中学校を設置管理する地方公共団体の国家賠償責任が否定された事例

(大阪地判平23・3・28)

▽破産管財人がその管財業務として破産会社の産業廃棄物の処分を無許可業者に委託したことを廃掃法に違反するとして、県が刑事告発をし、記者会見でこの事実を公表したことにつき、破産管財人の県に対する国家賠償請求が認められた事例

(岐阜地判平24・2・1)

知的財産権

◎商標法施行規則(平成一三年経済産業省令第二〇二号による改正前のもの)別表第三五類三に定める「商品の販売に関する情報の提供」の意義

(最三判平23・12・20)

○「堤人形」の文字と「つつみのおひなっこや」の文字を二段に横書きしてなる商標に対する無効審判請求について、当該商標は商標法四条一項一六号に違反したものではないなどとして、同請求は成り立たないとした審決が維持された事例

(知的財産高判平23・10・20)

商 事

▽一 被告銀行による、他の原告銀行に対してATMによる現金払出し等の業務を委託する契約の解約が、有効とされた事例
二 被告銀行による、前記解約を前提として原告銀行に対する前記契約上の応答を拒否する行為が、独占禁止法上の不当な取引拒絶に当たらないとされた事例

(東京地判平23・7・28)

刑 事

◎裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについての選択権と憲法三二条、三七条

(最二判平24・1・13)

◆最高裁判例要旨(平成二四年二月分)

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