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判例時報 No.2144
             平成24年5月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
 プラバスタチンナトリウム(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム)事件知財高裁大合議判決
  (知的財産高判平24・1・27)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

民事裁判の基礎理論・法的判断の構造分析(1)(中)
 ――要件事実論とは、どのような考え方か……河村 浩
司法行政について(下)……西 理
現代型取引をめぐる裁判例 (302)……升田 純
海外刑法だより(324)国連の汚職防止条約(上)……森下 忠

◆判例特報◆

 一 いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの技術的範囲について、物の構造又は特性により直接的に特定することが出願時において不可能又は困難であるとの事情が存在しない場合は、その技術的範囲は、クレームに記載された製造方法によって製造された物に限定されるとされた事例
二 特許法一〇四条の三に係る抗弁に関し、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの要旨の認定について、物の構造又は特性により直接的に特定することが出願時において不可能又は困難であるとの事情が存在しない場合は、その発明の要旨は、クレームに記載された製造方法により製造された物に限定して認定されるとされた事例

――プラバスタチンナトリウム(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム)事件知財高裁大合議判決(知的財産高判平24・1・27)

◆判決録細目◆

行 政

○一 貨物船が京浜港東京第二区の東雲運河西口付近を航行する場合において、警戒船の誘導が不適切であり貨物船船長が誘導の趣旨を誤解して転針したため、係留中の潜水士船に衝突した事故が発生したときは、貨物船の船長に過失はないとされた事例
二 貨物船が係留中の潜水士船に衝突した事故について、貨物船の船長には過失はないとして、横浜地方海難審判所のした四級海技士(航海)である同船長に対する戒告の裁決が取り消された事例

(東京高判平24・1・16)

民 事

◎労働契約上の安全配慮義務違反による損害と弁護士費用

(最二判平24・2・24)

○市議会議員とその二親等以内の親族が経営する企業と市との契約を禁止した条例は違憲であるとし、同条例に基づく議員に対する警告措置は違法であるとして、市の国家賠償責任が認められた事例

(広島高判平23・10・28)

▽一 破産会社Aが賃貸人Yに対し、保証金(敷金)を放棄して賃貸借契約を解除することが、破産法一六〇条三項の無償行為に該当するとされた事例
二 保証金(敷金)の返還請求権を放棄することにより賃貸借契約を即時解約することができる旨の合意がされていた場合において、破産管財人Xによる破産法五三条一項に基づく賃貸借契約の解除により保証金の返還請求権が消滅するものとは解されないとされた事例

(東京地判平23・7・27)

知的財産権

◎旧著作権法(昭和四五年法律第四八号による改正前のもの)の下において興行された独創性を有する映画の著作物の複製物を輸入し、頒布する行為をした者がその著作物の存続期間が満了したと誤信していたとしても、同行為について同人に少なくとも過失があるとされた事例

(最三判平24・1・17)

○「餅」の特許権に基づく侵害差止等請求事件において、被告製品は特許発明の技術的範囲に属する旨の中間判決がされた事例――切り餅事件控訴審中間判決

(知的財産高判平23・9・7)

商 事

▽一 傷害保険の保険契約者兼被保険者の死亡が死亡保険金請求権を共同相続した甲・乙両名のうち甲によって招致された場合と保険会社の甲に対する免責(積極)
二 傷害保険の保険契約者兼被保険者の死亡が死亡保険金請求権を共同相続した甲・乙両名のうち甲によって招致された場合と保険会社の乙に対する免責(積極)

(富山地判平23・5・27)

労 働

▽退職金を新卒入社と同様の基準で支給する合意があったとする退職金請求及び在職中のパワハラを理由とする損害賠償請求がいずれも棄却された事例

(横浜地判平23・12・22)

刑 事

◎六名を殺害し、一名を死に致すなどした殺人、傷害致死等被告事件につき、被告人を無期懲役に処した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとまでは認められないとされた事例――北九州連続監禁殺人等事件上告審決定

(最一決平23・12・12)

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