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判例時報 No.2168
             平成25年1月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
 神戸市債権放棄議決事件上告審判決
  (最二判平24・4・20)
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 4件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件


◆記 事◆

シンポジウム
 『司法改革10年、これまでとこれから』
 第二部 パネルディスカッション
  「司法改革の現状と裁判官等の評価」……日本裁判官ネットワーク
現代型取引をめぐる裁判例 (318)……升田 純
海外刑法だより(332)終身刑と無期刑(上)……森下 忠

◆判例特報◆

 一 市がその職員を派遣し又は退職の上在籍させている団体に対し公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律所定の手続によらずに上記職員の給与相当額の補助金又は委託料を支出したことにつき、市長に過失があるとはいえないとされた事例
二 普通地方公共団体が条例により債権の放棄をする場合におけるその長による放棄の意思表示の要否
三 住民訴訟の対象とされている普通地方公共団体の不当利得返還請求権を放棄する旨の議会の議決の適法性及び当該放棄の有効性に関する判断基準
四 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の不当利得返還請求権を放棄する旨の条例の制定に係る市議会の議決が適法であり、当該放棄が有効であるとされた事例

――神戸市債権放棄議決事件上告審判決(最二判平24・4・20)

◆判決録細目◆

行 政

◎一 普通地方公共団体がその議会の議決により債権の放棄をする場合におけるその長による放棄の意思表示の要否
二 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権を放棄する旨の市議会の議決が適法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例――大東市債権放棄議決事件上告審判決

(最二判平24・4・20)

◎一 住民訴訟の対象とされている普通地方公共団体の損害賠償請求権を放棄する旨の議会の議決の適法性及び当該放棄の有効性に関する判断基準
二 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権を放棄する旨の市議会の議決が違法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例――さくら市債権放棄議決事件上告審判決
(最二判平24・4・23)

民 事

○一 電気通信事業者が、特定の携帯電話番号の名義人の氏名及び住所地、請求書送付先住所地、連絡先電話番号についての調査嘱託に対し、回答を拒絶したことに正当な理由がなかったとされた事例
二 嘱託先が、正当な理由なく調査嘱託への回答を拒絶した場合における、訴訟当事者に対する不法行為の成立が否定された事例
三 右記回答をすべき義務があったことの確認を求める訴えの適法性(消極)

(東京高判平24・10・24)

○特許侵害者に対し、当該特許権の専用実施権に係る通常実施権の設定に関する交渉等の業務委託契約について、専用実施権者らが特許権及び専用実施権の内容等について欺罔したとは認められず、また、当該特許権が無効審決の確定により無効となったからといって、業務委託契約締結について錯誤があるともいえないとされた事例

(知的財産高判平24・7・18)

▽国定公園内の普通地域の土地を開発分譲しようとする業者に対し、県の担当者が自然公園法上の特別地域であることを前提とする誤った行政指導をしたことにつき、国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求の一部が認容された事例

(東京地判平24・8・7)

▽架空循環取引による巨額の粉飾決算について無限定適正(有用)意見を表明した監査法人の債務不履行責任及び不法行為責任が否定された事例

(大阪地判平24・3・23)

知的財産権

○「樹脂封止型半導体装置の製造方法」との発明について、進歩性の判断に誤りがあるとして、拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決が取り消された事例

(知的財産高判平24・1・31)

○一 登録商標の指定商品又は指定役務は、第三者との関係で当該登録商標の権利の範囲を確定するものであるから、その用語については取引者による通常の使用法に基づいて客観的に解釈されるべきものである
二 指定商品「電球類及び照明器具」を前件審判により「LEDランプを除く、電球類及び照明器具」とされた「エコルクス/ECOLUX」との登録商標(本件商標)についての不使用取消審判の請求に係る審決取消訴訟において、商標権者が使用を主張した本件商品は、前件審判の請求の登録の日に本件商標の指定商品から消滅したものとみなされる「LEDランプ」に該当し、同日から本件審判の請求の登録の日までの間において、本件商標の指定商品に該当しないとして、商標権者による本件商標の使用を認めなかった事例

(知的財産高判平24・9・12)

商 事

○不動産仲介業者が媒介契約書を作成しないで媒介行為をした場合に、媒介契約の成立を認め、媒介報酬の額が七五万円と認定された事例

(名古屋高判平24・9・11)

◆最高裁判例要旨(平成二四年一〇月分)

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