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判例時報 No.2170
             平成25年2月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 9件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

カルテル・入札談合における審査の対象・要件事実・状況証拠Part Ⅳ
 多摩談合(新井組)最高裁判決(最判平24・2・20本誌二一五八号三六頁)は日本のソコーニー・バキュームになれるか……越知保見
現代型取引をめぐる裁判例 (319)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

○弁護士が弁護士会等の役員としての活動に伴い支出した懇親会費等の一部が、その事業所得の計算上必要経費に算入することができ、また、消費税等の額の計算上課税仕入れに該当するとされた事例

(東京高判平24・9・19)

民 事

◎普通預金債権のうち差押命令送達時後同送達の日から起算して一年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分を差押債権として表示した債権差押命令の申立てが、差押債権の特定を欠き不適法であるとされた事例

(最三決平24・7・24)

○一 情報公開条例に基づき非公開決定をした地方公共団体の機関が、異議申立てを受けてから約一〇か月ないし一年二か月を経過した後に審査会に諮問をしたことについて、国家賠償法上違法とはいえないとして、国家賠償請求が棄却された事例
二 地方公共団体の独立性と情報公開条例の解釈の在り方について判示された事例

(東京高判平24・11・29)

▽土壌汚染の調査を行って締結された工場跡地の土地等の売買契約において将来土壌等の汚染が発見された場合も瑕疵担保責任を含め一切の責任を負わない旨の免責特約につき売主の悪意、重大な過失が否定され、売主の瑕疵担保責任が否定された事例

(東京地判平24・9・25)

▽工場跡地の売買契約において土壌中のアスベストの含有につき売主の瑕疵担保責任が否定された事例

(東京地判平24・9・27)

▽通貨スワップ取引の経験を有する株式会社が外国銀行、証券会社から勧誘され、米ドルとの通貨スワップ取引を行い、中途解約をし、銀行に解約精算金を支払った場合につき、銀行、証券会社の時価評価額に関する説明義務違反が肯定された事例

(東京地判平24・9・11)

▽畑の造成の目的で埋立てた土砂の崩壊流出により発生した住居及び人身被害につき、市及び県に土砂搬入業者に対する規制権限の不行使の違法があったとして、国家賠償責任が認められた事例

(広島地判平24・9・26)

▽北海道より家庭学校に入所させられた児童が、同室の年上の児童から性的暴行を受けたことにつき、家庭学校の職員に過失があるとして家庭学校及び北海道に対して求めた損害賠償請求が棄却された事例

(札幌地判平24・9・26)

▽孫請会社の従業員が起こした交通事故について、元請会社の運行供用者責任が認められた事例

(横浜地判平24・9・11)

▽県の衛生管理課職員が捕獲した犬の母子を殺処分にする旨告知した行為により精神的苦痛を被ったとして、犬や猫の保護活動をしている者が県に対して求めた国家賠償請求が棄却された事例

(宮崎地判平24・10・5)

知的財産権

○「アールシータバーン」との商標登録は、自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標に関して行われたものとはいえないとして、無効不成立とした審決が取り消された事例

(知的財産高判平24・5・31)

▽発明の名称を「メディアプレーヤーのためのインテリジェントなシンクロ操作」とする方法の発明について,被告製品を用いたシンクロ(同期)方法が同発明の技術的範囲に属さないと判断された事案

(東京地判平24・8・31)

商 事

○自動車の所有者がその所有の被保険自動車が盗難にあったとして保険契約に基づき保険金の支払いを請求した事件につき、保険契約者以外の第三者が駐車場から自動車を持ち去ったという盗難の外形的事実が合理的な疑いを超える程度にまで証明されたということはできないとして、請求を認容した原判決が取り消され、請求が棄却された事例

(大阪高判平23・9・27)

刑 事

◎裁判所が職権により被告人の勾留場所を変更する旨の移送決定をした事例

(最三決平24・10・25)

◆最高裁判例要旨(平成二四年一一月分)

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