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判例時報 No.2186
             平成25年7月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
 FRAND宣言した標準必須特許に関するアップルとサムスンの間の特許権侵害訴訟第一審判決
  (東京地判平25・2・28)
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

民事控訴審判決主文の基礎――地方裁判所の扱う控訴事件を念頭に置いて……濱口 浩
現代型取引をめぐる裁判例 (330)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

○行政事件訴訟法二二条により訴訟参加することのできる第三者が民事訴訟法上の補助参加をした場合にいわゆる共同訴訟的補助参加と解することができるか

(仙台高判平25・1・24)

▽適格退職年金制度の終了に伴い支払われた一時金について、みなし退職所得(所得税法三一条)には該当せず、一時所得(同法三四条)に該当するものと判断された事例

(東京地判平24・12・11)

民 事

◎一 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に債務者につき更生手続開始の決定がされた場合における上記担保の被担保債権の性質
二 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当たって金銭を供託する方法により担保が立てられた場合において債務者につき更生計画認可の決定がされた後であっても供託金の還付請求権を行使することの可否

(最二決平25・4・26)

○不動産譲渡担保について登記原因を売買として登記されている場合に、登記原因を譲渡担保に更正する更正登記手続請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分の申立てが認容された事例

(大阪高決平25・1・9)

▽「米ドル円通貨スワップ取引」が合意解約されたときの条項について、清算条項と解釈された事例

(東京地判平25・4・16)

▽高齢顧客が証券会社からの仕組債の購入により損害を被ったことにつき、証券会社の従業員の適合性原則違反、説明義務違反の違法行為によるものとして求めた損害賠償請求が認容された事例(過失相殺三割)

(大阪地判平24・12・3)

▽走行中の原動機付自転車が陥没した道路に転落した場合、道路管理者に予見可能性がなかったとして、管理上の瑕疵が否定された事例

(津地四日市支判平25・3・29)

知的財産権

○「POWERWEB」の文字を標準文字で表して成る商標(本願商標)と、「POWERWAVE」の欧文字と「パワーウェーブ」の片仮名を上下二段に横書きして成る商標(引用商標)は類似しないとして、両商標が類似するとした審決が取り消された事例――アディダス「POWERWEB」事件判決

(知的財産高判平24・7・19)

○運動靴の甲の側面に付された本件商標から、四本の細長いストライプではなく、それらの間に存在する空白部分を三本のストライプと認識する場合などがあり、三本のストライプから著名なアディダスのスリーストライプ商標を想起するから、単に本件商標と引用各商標との外観上の類否を論ずるだけでは足りず、本件商標と引用商標(アディダスの著名商標)との構成態様より受ける印象及び両商標が使用される指定商品の取引の実情等を総合勘案すると、本件商標を指定商品「履物、運動用特殊靴」に使用したときは、その取引者、需要者において、当該商品がアディダスの業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるとされた事例

(知的財産高判平24・11・15)

商 事

▽会社保有の他社の株式を、取締役が著しく廉価で自己の関係者に売却したことにより会社に損害を被らせたとして、取締役の会社に対する任務懈怠による損害賠償責任が認められた事例

(大阪地判平25・1・25)

労 働

▽電気器具メーカーで経理業務に従事していた従業員が脳出血により死亡した事案において、業務起因性が肯定された事例

(東京地判平25・2・28)

刑 事

◎刑訴法三一六条の一七と自己に不利益な供述の強要

(最一決平25・3・18)

◆判例特報◆

 標準規格必須宣言特許についてFRAND条件でのライセンス契約締結に向けての重要な情報を相手方に提供して誠実に交渉を行うべき信義則上の義務を尽くすことなく,当該特許の特許権に基づく損害賠償請求権を行使することは,権利の濫用に当たり許されないとされた事例
 ――FRAND宣言した標準必須特許に関するアップルとサムスンの間の特許権侵害訴訟第一審判決(東京地判平25・2・28)

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