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判例時報 No.2194
             平成25年10月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

危険運転致死傷罪(アルコール影響型)における故意
 ――最高裁平成二三年一〇月三一日決定を契機として……林 幹人
現代型取引をめぐる裁判例 (335)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

◎全国消費実態調査の調査票情報を記録した準文書が民訴法二三一条において準用する同法二二〇条四号ロ所定の「その提出により…公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たるとされた事例

(最三決平25・4・19)

民 事

〇弁護士委任契約で報酬額を依頼者が得た金員の二〇%とする旨の一義的に明確な合意が成立している場合において、契約時に成功報酬額につき弁護士と依頼者との間でその他のやり取りがされていないときには、契約文言のとおりの合意がされたと解するのが相当である

(東京高判平25・3・13)

▽政党の参議院比例区総支部の権利能力なき社団の該当性が否定された事例

(東京地判平25・2・28)

▽店舗の屋上に設置されたジェットコースターにつき異常な振動が発生した場合において、請負業者の請負契約上の履行不能による損害賠償責任が肯定された事例

(東京地判平25・3・29)

▽一 厚生年金基金から私募不動産ファンド特化型の単独運用指定金銭信託を受託した運用受託機関につき、当該厚生年金基金の基金資産全体に対する分散投資についての助言義務及びそれに基づく受託拒絶義務がいずれも否定された事例
二 厚生年金基金から私募不動産ファンド特化型の単独運用指定金銭信託を受託した運用受託機関につき、当該厚生年金基金に対する私募不動産ファンドに関するレバレッジリスクの説明義務が否定された事例

(大阪地判平25・3・29)

▽死刑囚の再審中の打合せの目的で拘置所に対して立会人なしの面会を求めて拒否されたことを違法として国家賠償請求が認容された事例

(広島地判平25・1・30)

知的財産権

○「菓子及びパン」等を指定商品とし「ボロニアジャパン」の片仮名文字からなる登録商標は、①原告のデニッシュ食パンを表示するものとして使用されている「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示と類似性を有し、②上記表示が「デニッシュ食パン」の分野では原告又は原告の商品を示すものとして一定の周知性を有しており、③原告の商品と取引者及び需要者が共通し、④被告の本件商標の使用態様及び需要者の注意力等に照らし、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接した需要者が「BOLONIYA」又は「ボロニヤ」の表示を連想する可能性があるなどの事情の下においては、商標法四条一項一五号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」に当たる

(知的財産高判平25・3・28)

○一 編集著作物における創作性は、素材の選択又は配列に、何らかの形で人間の創作活動の成果が表れ、編集者の個性が表れていることをもって足りる
二 控訴人の薬剤に係る書籍の漢方薬便覧部分の薬剤の選択及び配列には、創作性があり、これと完全に同一の選択及び配列を行った被控訴人の薬剤に係る書籍の漢方薬便覧部分の薬剤の選択及び配列が、複製に当たるとされた事例

(知的財産高判平25・4・18)

労 働

▽私立大学の特任教授に対するセクハラ行為を理由とする懲戒解雇につき、事実誤認に基づくもので無効であるが、当該事実誤認をしたことに過失は認められないとして、不法行為による損害賠償請求が棄却された事例

(京都地判平25・1・29)

刑 事

○一 顧客らによるサーバコンピュータからのダウンロード行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを同人らのパソコン等の記録媒体上に取得させる行為は、刑法一七五条一項後段にいうわいせつな電磁的記録の「頒布」に該当するものとされた事例
二 日本国外でサイトが運営された場合であっても、日本国内における顧客のダウンロード行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを頒布したときは、刑法一条一項にいう国内犯として処罰することができるとされた事例

(東京高判平25・2・22)

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