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判例時報 No.2207
             平成26年2月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<労働> 1件


◆記 事◆

韓国の財産明示制度の現状――わが国の執行法制に与える示唆……今井輝幸
現代型取引をめぐる裁判例 (344)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

▽住民訴訟で勝訴したXらが地方公共団体に対し地方自治法(平成一四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二第七項に基づき支払を請求することのできる「相当と認められる額」は一億五〇〇〇万円と算定するのが相当であるとして、当該地方公共団体に対し同額の支払が命じられた事例

(東京地判平25・7・16)

民 事

◎戸籍法四九条二項一号の規定のうち出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分と憲法一四条一項

(最一判平25・9・26)

○定年退職者の再任用選考審査における不合格決定は違法であるとして、国家賠償請求が認められた事例

(福岡高判平25・9・27)

▽一 商人間の売買契約の目的物が他人物であった場合における商法五二六条の適用の有無(消極)
二 右の事案において、売主側に権利の瑕疵の存否に関する錯誤があった場合における、担保責任規定と錯誤規定の適用関係

(東京地判平25・6・6)

▽市役所環境保全課職員の条例による井戸設置許可に関する説明に違法性があるとして、市の国家賠償責任が認められた事例

(横浜地小田原支判平25・9・13)

▽大学病院心臓血管外科で胸部大動脈に対する人工血管置換術を受けた後に対麻痺になった患者が、手術適応や術式選択に誤りがあったとして大学病院に対し損害賠償請求をした場合に(患者は訴訟係属中に死亡)、患者の同意を得ることなくプルスルー法を採用したのは医師の裁量の範囲を超えて許されないとして、対麻痺が生じたことに対する損害賠償請求が認められた事例

(鹿児島地判平25・6・18)

知的財産権

○人材派遣業を営む控訴人の競合会社及び控訴人の従業員であった被控訴人らが、控訴人の取引先を奪うことを企図して、控訴人の取引先に対して、控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知したとして、控訴人が被控訴人らに対し、不正競争防止法二条一項一四号、四条等に基づき、損害賠償を請求した事案において、虚偽告知の事実を認めず請求を棄却した原判決を変更し、請求が一部認容された事例

(知的財産高判平25・9・10)

労 働

▽一 平成二一年法律第七九号による改正前の出入国管理及び難民認定法に基づく外国人研修・技能実習制度を利用して日本に入国した外国人がその研修期間中に従事した作業について、労働基準法及び最低賃金法の適用が認められた事例
二 外国人研修・技能実習制度の第二次受入れ機関の代表者らが研修生・技能実習生らに対し、①違法な労働条件下の労働及び違法な旅券・預金通帳の管理、②性的嫌がらせ行為、③暴行に及んだとして、右①ないし③それぞれにつき、同代表者らの研修生・技能実習生に対する不法行為責任が認められた事例
三 外国人研修・技能実習制度の第一次受入れ機関の代表者が、第二次受入れ機関の代表者らによる研修生・技能実習生らに対する不法行為を幇助したとして、第一次受入れ機関及びその代表者らの研修生・技能実習生らに対する不法行為責任が認められた事例
四 外国人研修・技能実習制度の研修生・技能実習生らに対して第一次受入れ機関及び第二次受入れ機関が行う対応等をサポートすることを業として行った会社の代表取締役が、第二次受入れ機関の代表者らによる研修生・技能実習生らに対する不法行為を幇助したとして、同会社及びその代表者の研修生・技能実習生らに対する不法行為責任が認められた事例
五 外国人研修・技能実習制度の研修生・技能実習生らが第二次受入れ機関の代表者に対して有する不法行為に基づく損害賠償請求権について、破産法二五三条一項二号の非免責債権に該当するとされた事例

(長崎地判平25・3・4)

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